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第21話 宝物庫

 ダンジョンに入ってから一日が経過した、僕達は一度キャンプを張り、睡眠を取ってから探索を再開させる。


 ルーナさんもすっかり皆と打ち解けた様で、女性陣との会話も弾んでいる様だ。まあ会話と言うより一方的に質問されて答えてるだけなんだが……でもルーナさんも何だか楽しそうにしてるから良かった。


 ここまでカレンさんとモンスター狩りをしていて解った事は、カレンさんはゴリゴリの前衛タイプだと言う事。リオンさんに習った大剣術を上手く攻撃と防御に使いモンスターを倒している。実力はもう銀ランク冒険者と同じくらいじゃないかな?


 僕は僕でカレンさんがモンスターを惹き付けてくれるから隙をついて楽に戦える。それに今日は……と言うより、オーガ戦以来凄く調子が良い。ここのモンスターが相手でもあまり苦にならない、もしかしたらあの解析不能のスキルが影響しているのかも……


 今日の探索を進めること二時間、キャンプをしていたエリアから間道を進んでいると、進行方向に光が射している。


「カレン、アステル、ストップだ」


「どうしたの? 兄さん」


「何かありそうだ慎重に進むぞ」


 リオンさんが何かに勘づき先頭を変わり、ゆっくりと新エリアの入り口に向かいそっと中を覗く。


「運が良いぞ、宝物庫だ」


 宝物庫、ダンジョン内に極稀に存在する珍しい武具やアイテムや財宝が眠る部屋で、新エリア探索の最大の利点なのだ、部屋は階層ボス並みかそれ以上の強いモンスターが守っていて、知らずに飛び込むと痛い目に遭う。


 僕達も覗いてみると、内部は400㎡ほどでドーム型になっている、奥の方にはイカの様な形をした全長20mほどのモンスター、それと、ここに来るまでに見た様なモンスターが数十匹うろついていた。


「クラーケンに似ているが少し違うな、新種か?」


「あのモンスター、たぶん毒とかの状態異常攻撃持ってますね」


「何でそう思うんだ?」


「言ってなかったですけど、僕には高ランク食材鑑定スキルがあるんです。あいつは部分的に食材適正がありません、そう言う奴は大抵状態異常攻撃をしてくるんです」


「ほう、食材鑑定にそんな使い方があるとは知らなかった」


「鑑定スキル持ってたら普通は冒険者やってませんからね」


「ははは違いない、で? どの部分に食材適正が無いんだ?」


「長い二本の触手と体内ですね。たぶん何処かから何か吐き出します」


「解った、クリュス、クレア、リイナ」


「はいはーい」「はい」「了解」


「兄さん私もやる」


「カレンはダメだ、あれとやるのはまだ早い、下手に手出しするとクリュス達の邪魔になる。ここでしっかり見てるんだ、見るのも勉強だぞ」


 階層ボスや宝物庫のモンスターはその階層の通常モンスターに比べて格段に強い、五階層ほど上のモンスターと考えた方が良いだろう、ここの宝物庫モンスターなら、グランセルの18階層以上だと考えられる。


 その上状態異常攻撃し持ってるとなると余計に手が出せない。高ランク冒険者であろうと耐性がない限り危険だ。当然僕とカレンさんが戦える相手じゃない。


 カレンさんは少し悔しそうな顔をして、リオンさんの言う通り入り口から見守っている。


 中に入ったクリュスさん、クレアさん、リイナさんは武器を取り出し配置に着く。


 2つ名のイメージとは違い、クリュスさんは格闘型前衛タイプみたいだ。両腕に手甲を嵌め、次々雑魚モンスターを豪快に殴る蹴る、妖精や女神と言うよりどちらかと言えばオーガに見えるな、本人に言ったら張り倒されるだろうから気を付けよう……


 クレアさんは槍使い、流れる様な槍捌きで敵を寄せ付けない、槍の攻撃の間に魔法を混ぜてクリュスさんの後方を守るように戦っている。


 リイナさんは弓使い、クリュスさんクレアさんから少し離れた場所から絶えず動き回って援護している。


 流石は高ランク冒険者チームだ。連携に無駄がなく、かなり高度な戦闘をしている。上手くボスモンスターを牽制しながら雑魚モンスターを次々片付ける様は、かなり勉強になるな。


 ある程度雑魚モンスターが片付くと、クリュスさんがボスモンスターと対峙した。


「エクスプロード!」


 クリュスさんは、ボスモンスターに拳を打ち込むと同時に火魔法を放ち、殴った場所に爆炎が舞う。


「ええっ!? あんな魔法の打ち方初めて見ました」


「普通はやらないな、真似するなよ、下手すると自分にダメージが来るからな」


 だろうな、やろうと思ってもたぶん出来ない、余程タイミングを計るのが上手いんだろう、僕が同じ事をウォーターボムでやったら腕が無くなりそうだ。


 クリュスさん優勢に事を運び、戦闘を進めていると、ボスモンスターが長い2本の触手をクリュスさんの死角から振り下ろす。


 危ない! 触手が━━僕がそう叫ぼうとした瞬間。右の触手をクレアさんがバラバラに切り落とし、左の触手にはリイナさんが三本同時に矢を打ち込み、速度が落ちたところをクリュスさんが火魔法で消し炭にする。


 直後、イカモンスターの頭が少し膨らみ━━


「アースウォール!」


 リイナさんが土魔法を発動、大きな土壁がクリュスさん達とボスモンスターを隔て、それとほぼ同時にボスモンスターが黒い液体を吐き出す。


「サンダーレイン!」


 続けてクレアさんが雷魔法を放つと、雷がボスモンスターに向けて雨のように降り注ぐ。


「ブラストフレア!」


 クリュスさんが土壁ごと火魔法を乗せた拳でボスモンスターを攻撃、激しい爆炎がボスモンスターの全身を焼き活動を停止させた。


 だった数分で宝物庫のモンスターは全滅した。


 ルーナさんの絶対的な強さとはまた違った強さ、芸術とも呼べる美しい連携に僕は心を奪われた。


「どうしたのアス君ぼーっとして?」


「……はっ! はい見とれてました」


「「「あはははは」」」


「面白い子だねぇ君は、面と向かって言われるとハズいっしょ」


「邪魔物も片付けたし探索しよっか」


「そうだな、まだ何があるか解らんから警戒は怠るなよ」


 僕達は宝物庫内を隈無く探索し、アイテムや財宝を集めギルドに戻った。


 武具やアイテムを鑑定に出し、個室を借りて収穫物を分ける事になった。


 魔法武具やアイテムはなかったものの、それなりに名品揃い、ボスモンスターを倒した三人から一人ずつ順番に自分の欲しいものを取っていく、高ランクの皆は必要ないのか、僕やカレンさんに残してくれたのか、武具ではなく財宝を選び、僕は手頃な大きさの盾とダガーを貰った。

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