表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/100

第14話 魔法の応用

 魔法についてずっと考えていた、人間族が使う魔法の習得法と、エリーさん達竜族や、デイジー達エルフ族の魔法の習得法は全く違う。


 人間が使う魔法は国が運営する魔法協会でお金を払い、特別な儀式で魔法の種を植えてもらい、その数日後、定着した魔法を起動句と特定動作によって発動出来るようになる。ランクの高い魔法程値段も高く、必要最低魔力値と言うのが設定されている。当然魔力値が規定に満たない場合は魔法が発動しない。僕の収納魔法や回復魔法はこれによるものだ。


 対して竜族やエルフ族が使う魔法は先ず魔力操作を覚え、水や土等に魔力を流し操作しながら少しずつその物に対するイメージを焼き付け、魔力を属性変化させ発動出来るようになる。今僕が教わってる方法だ。


 以前エリーさんにこの話をした事がある。



ーーーーーーーーーーーーーーー



「ふむ、お主らが魔法を使えるのに魔力操作が出来ん訳が解ったのじゃ。その方法を考えた者は天才じゃのう、実際にその場を見ておらんので正確な事は言えぬが、恐らくそれは特定の魔法の魔法式を体の何処かに植え付けているのじゃろう。じゃが実に勿体無いのう」


「どういう事ですか?」


「単純に魔法を発動させると言う点においては間違いなくその方法が早いであろう。じゃが応用が利き難いのじゃ。その方法で覚えられる魔法は特定の形に決まっておるのじゃろ? と言う事は使いどころが限られると言うことじゃ。それに魔力操作の有用性についてはお主も解っておろう?」


「あ、そう言う事か、確かに購入した魔法は形が決まってますね」


 魔法の種で得られる魔法は、炎魔法Dランクならフレイムアローやファイアボール、水魔法Dランクならウォータースラッシュやフリーズアロー等、購入する物によって使える魔法が決まっている。


 この点、魔力操作から発動させる魔法は、自由に形状を変化する事が出来る上に、集中させる魔力によって威力も変わる。習得が難しい分使い勝手が良いのだ。



ーーーーーーーーーーーーーーー



 僕はいつもの様にダンジョン一層でゴブリンを相手にしながら魔力操作の訓練をし、魔力を流した水を操作する訓練をやりながら魔法についての見識を見つめ直している。


 続けてもう1段階上の、魔力を変化させる訓練に入った。


 魔力を両手に集め右へ左へと動かしながら水を操作している時のイメージを作り出す。


 この魔力は水、今この手にあるのは水だ。


 そう繰り返し言い聞かせながらイメージを高めてゆく━━


 すると、少しずつ魔力が水に見えてきた。次第に触っている感触も水の様に感じ、段々水が動く音も聞こえてくる。


 やった! 出来たぞ。水の操作を覚えてから、何度も変化の練習をし続けて、僕は遂に魔力から水を作り出す事に成功したのだ。


「ルーナさん、エリーさんやりましたよ。ほら水です水」


 少し離れた場所で組手をしていたルーナさんとエリーさんに声を掛ける。


「ようやく第二段階クリアじゃのう」


「…ん、アステル頑張った…ね」


 エリーさんは喜ぶ僕に微笑み返す。ルーナさんの顔も微笑んでいるかの様に見えた。


「では早速、水魔法の威力を試してみるのじゃ」


「はい!」


 僕は作り出した水で、さっきまで相手をしていたゴブリン達に向け人の頭程の水弾を放ち、一匹のゴブリンが水弾に弾き飛ばされ地面を転がる。


「アステルそれではダメなのじゃ。普通の水を使っているのと変わらんではないか。良いか? 魔力で作り出した物の利点の一つは密度を大幅に変化出来るところなのじゃ。少し見ておれ」


 エリーさんが僕が作り出した水と同じぐらいの量の水を二つ作り出し、一つを小さく圧縮した。


「これとこれは同じ量の水なのじゃ。よく見ておれ」


 エリーさんが左右順番にゴブリンに向かい放つ。大きい方の水弾は僕の時同様ゴブリンを弾き飛ばし、小さい方の水弾はゴブリンに命中したかと思った瞬間弾け、バラバラになったゴブリンの肉片が辺りに飛び散る。


 うっ! ぐ……グロい……僕は目の当たりにした光景の所為で胃の奥から込み上げるものを感じた。


「この通りなのじゃ。中々の威力であろう? 今のお主がやってもあれくらいの威力は出せるのじゃ。これなら先日お主がやられたトロールでも倒せよう。どんなに屈強なモンスターであろうと内臓までは鍛えられぬからのう」


「…ん、便利だ…ね」


「ですけど、内部に撃ち込めないと使えませんよね? トロールクラスだと外皮も硬いですし通りますかね?」


「はぁ……頭を使うのじゃ頭を、どんな生物でも生きておる限り呼吸もすれば食事も排泄もするのじゃ。上手く操作して其所へ放り込めば良かろう?」


「な、なるほど……」


 確かにそうだけど……お尻から侵入させて内から爆破……考えただけで寒気が……まあ別にお尻でなくても良いのだけれど……


「理解出来たなら早速モンスターを見つけて特訓じゃ」


 僕はこの後、ダンジョン第1階層のモンスター相手にひたすら内部爆破の訓練をし、途中あまりのグロさと自分が同じ事をやられたら……とか想像してしまって何度か吐いた。


「アステル、余計な事考えちゃダ…メ」


「は、はい……うぷっ……ぎをづけま……ず……」


 エリーさんの話ではこの魔法。今は僕の操作が未熟だから爆破だけだけれど、慣れると内部から凍らせたり針や刃状に変化させダメージを与えることも出来るらしい……竜族の発想が怖い……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ