京阪バス 14秒の早発
早発とは定刻よりも早く発車したことを指す。読み方は、そうはつ。
こんにちは。元高速バス運転手が経験上から発言いたします。
京都寄りの大阪枚方市で発生した早発問題。
世間では、たった14秒だと騒ぎ、運転手不足の原因にもなるのではないかと口にする人が居ますが、そもそも早発のことをどうお考えかとコチラとしては聞いてみたいところです。
バス停で待ってたとします。バスが来て乗り込みました。定刻時間より早く出ました。ラッキー。と思いますか?
大抵の人は、ラッキーだと思わずなんとも思わずに発車しています。なんとなく時計を目にしていて定刻前の46秒を指しているのに気づき「アレ?」と思うことはあるかも知れません。それでもほとんどの人はなんとも思わないものです。
バス停から乗ろうと急ぎ足の最中です。これに乗り遅れると次のバスは10分後。電車が出てしまい約束の時間に間に合わない。頼むバス待っててくれ!と祈るような気持ちで急ぎ足で向かってるところへバスは無情なことに発車してしまいました。すぐに腕時計を見て絶望しますが、よく見ると定刻より10秒以上早かった。10秒あれば滑り込みセーフだったのに。
京阪バスによるとこれまで2回の早発を繰り返しており3回目で警告のリーチがかかっていた。
今回もまた早発させてしまった。
我々運転手に対しいつでもお怒りをぶつけられる方々から擁護のお言葉は大変感謝しています。
しかし、我々運転手は早発してはいけないというのを免許所得時から知っていることであり、実際のバス運転手として働く時にも早発はしないようにと釘を毎回刺されます。なので、早発することは違反なのだと常日頃から理解しているものなのです。
揚げ足取りをしたい人たちからは、1秒の狂いも許されないのか!
とおっしゃられますが、1秒の早発も許されないと肝に銘じることが必要となります。
では、現場で働く運転手たちはどうやって早発を防ぐかご存知ですか?ほとんどの運転手は腕時計をしていますし、速度計などの計器類に時計があります。秒単位でわかるものから分刻みのものまで。バス会社によって違いがありますが何かしらの時計があります。バッテリー交換して時計が狂う場合も手動で合わせます。必ずですね。今は自動補正があることがほとんどですが、それでも誤差を無くすために必ず確認しています。
その時計を見て運行しますが、時間より早く1秒でも早いと問題になるため、路線バスはバス停で停車することが可能となっています。誰も乗り降りしていないのになぜ。もしかしたら、小銭や両替で時間かかってるのかな。と思うことはあると思います。結局誰も乗り降りしなかった。というのも見たことがあるかも知れません。あれは、法律でバスはバス停で停車しても良いとなっているため停車していただけということになります。
早発にならないように、バス停で時間調整をすることがあったから誰も乗り降りしないで停車している邪魔なバスと皆さんは思うのでしょう。乗車しているお客様には車内マイクで「時間調整のため停車しております」と理由を伝える必要があります。
たまに勘違いされる方がいらっしゃるのが、高速バスのように途中乗車不可のバス停では到着時間よりかなり早く到着することがあります。30分くらい早いというのは経験上よくあることです。この早く到着したことに「早発だ!」と酔狂なご連絡を戴くことがありますが、到着時刻であり早く発車したわけではありません。早く到着する分には法律に触れることはありません。
早発バスも当然早くバス停に到着しているわけです。なので、定刻になるまで待つのが当然のことなのですが、前のバス停で遅れが発生やそれまでの道のりで渋滞があったなど、遅れに敏感になっていてつい早発させてしまうということは考えられなくもありません。
擁護される方々から、たった14秒と言われますが、たったというにはあまりにも早すぎる。陸上100m走ならゴールしてます。せめて1秒とかならまだしも。誤差の範囲だと思ってみてくれてるんだな。嬉しいなと思うかも知れません。
ではバス運転手はどうやって早発を防ぐのか。
バス停で時間調整もあります。その他に、定刻になってマイクで「定刻となりましたので発車いたします」と語ってから動き出すようにします。これで4・5秒遅れて出発できます。その間、車内ミラーをくまなく見て安全を確認する時間に当てることができます。運転手の心に安寧をもたらすことにも繋がりますね。
バス停というのは、ただ乗客の乗降のためにあるのではなく、早発防止の他に、緊急事態が発生した場合でもバスはバス停に停車して対応することが出来ます。
例として
車内でケンカが始まった。マイクで「他のお客様のご迷惑になります」と注意するも言うことを聞かない。しかたなく最寄りのバス停に停車しケンカする人たちを下車させた。
車内で平和憲法だと憲法9条改正を訴える人が演説を始めた。マイクで「演説は許可された場所以外では違法です」と注意するも言うことを聞かない。しかたなく最寄りのバス停で下車させた。
車内で妊婦が苦しんでいる。最寄りのバス停に停車し具合を確認し救急車を呼んだ。救急車に引き渡すまでバス停で停車した。マイクで「緊急のため停車しております」と状況説明を必ずします。
バス停に停車するバスは、安全地帯だという認識です。
バス停に半車身以上避けて停められる場所以外に路肩に寄せるしか出来ないバス停もありますが、理由のある停車ならバスは何分でも可能です。正当な理由なく停車するのは交通の妨げになるためクレームの対象になりますし道交法にも触れるでしょう。
早発防止のために遅れて発車するするのが通常です。そのために時計が見える範囲にあるのです。
日本人は時間にうるさい。と同じ日本人でも口にしがちですが、早く出て喜ぶ人はほとんど居ないのです。遅れて出発した方がむしろ喜ばれるくらい。運転手さんをかばいたくなる気持ちはありがたいですが、見当違いで庇われてもなぁといつも思っています。
速度違反と同じだと思ってください。
たった10キロオーバーでそんなに目くじら立てなくても!
と言ってるのと同じなんです。スクールゾーンは30キロ以下で走るのはご存知かと思いますが、小学生らが歩くすぐ横を10キロオーバーで走行したら普通に危険ですしバスのような巨体な乗り物が勢いよく走るだけで怖いもの。あなた方は許せますか?
「あーあのバス運転手さんトイレに行きたかったのかな?」とは思っても微笑ましいと思わないでしょうしなにより人の安全を脅かす行為に苛立ちを覚える人のほうが多いでしょう。
ちなみに、わたしの経歴にバス運転手の他にタクシーも経験がありますが、トイレ事情は大問題。なので、わたしはですが、オムツを履いていましたよ。最悪のことを想定して。実際に出したかというと漏れるくらいで出そうと思って出してはいません。それと、乗客のいるときに漏らさないように水分補給を減らし飴を舐めるようにしていました。利尿作用のある緑茶やコーヒーなどは避け喉の乾きを増やす炭酸飲料なども控え、じっとガマンをして飴玉を舐めてごまかす。
乗客が不快に思うようなニオイが出ないように食事にも注意してます。ニオイの強い食べ物は控えトイレが近くなるような食べ物や飲み物は避け、オナラが出やすい食物繊維を大量に食べないように。など、それなりの気遣いをしていました。
社食でキムチ牛丼があったときは所属長に抗議したことがあります。ニオウし発酵食品ですし。
最後に、バスの早発は罪だと認識するくらいの気持ちが必要。早発しても誰も喜ばず誰も得をしません。早発防止のために時間になってからマイクで発車の合図を送りそれから動き出す。
心のゆとりが事故を減らす。バスに限らず運転する人は心のゆとりを持って運転しましょう。
運転手さんをかばう言葉が最近増えてきてることを嬉しく思う反面、まったくの見当違いで擁護されても迷惑だなと思うこともあります。脊髄反射で擁護してるわたし素敵なんて思わず、まず、どうしてニュースになっているのかをご自身で検索してください。
早発ていどでバス運転手さんのやる気を削いでどうするんだ!というのもよく見聞きしますが、それも全く違っていて、やる気が削がれる人は普段から違反を繰り返してるような人。そんな違反を繰り返す人を擁護してもあなたにとってなんの意味もありません。
とはいえ、狭い界隈のはなし。一般的にはどうでもよくね?なのでこのへんで失礼します。
またみてね




