帰郷301
アマゾンにあるようなねじ曲がった木々、ねじ曲がった木々の窪みに眠る赤ちゃん。
「神を創る木かしら」
「神を創る木?神ですか?」
「処女懐胎、脇から生まれる赤ちゃん、普通の産まれ方はしない……」
『ザシュンザシュン』
「あんた頭イカれてるの!!!?赤ちゃんを殺すの!!!?」
リミィのクローンと案内人が、珍しいモノを観察している間に、リナが赤ちゃんの処理を始める。
『ザシュンザシュン』
「効率悪いな……手伝ってよ」
ヒートソードでへその緒を切ってから首を切断し、赤ん坊の小さな胸にヒートソードを突き立てて、心臓を抉り出して確実に仕留める。
「いい加減にして!!!!軍人なんでしょ!!!!こんな事して許されると思ってるの!!!?」
初美は、イカれた行為をするリナの手首を掴んで凶行を止める。
「これ仲間だと思ってるの?」
「器が人の形をしている!!!!亡くなった人の魂が、この器に入ってるの!!!!」
霊感を持つ初美だから分かる事。
この赤ん坊が赤い木の、木の実のような存在だというのは否定しないが、それでも中にあるのは人の魂、木の窪みにいる赤い木の赤ん坊を殺すというのは、人道的に認められない赤ん坊殺しになる。
「倫理観のお話なら、終わった後に聞くから」
「嫌悪感を覚えないの……?」
自分の事を睨む初美に対して、リナは臆する事無く正面から向き合う。
「鳥かごがRLに襲われた時、大人も子供も殺されたの。ミニガトリング砲で肉片が飛び散って、慈悲なんて無かった。大人の肉と子供の肉がパズルみたいに混ざってるの……想像出来る?」
「…………」
「普通の人間の赤ん坊なら、私でも戦争のルールでどうするか悩むけど……」
「あっ……」
『ザシュン!!!!』
リナの言葉の重みに耐えられなくて、初美の手がリナの手首を離してしまうと、ヒートソードが赤い木の窪みに突き刺され、
「これは人間の形をした化け物なの、これを始末しないと沢山の人が死ぬ」
突き刺した赤ん坊を、初実の鼻先に突き出すのであった。




