帰郷298
初実を殺す為に、小型の丸鋸を手にしたミノタウロスは差し向けられたが、敵も予想外だったのが銃器を持った兵士が混ざっていた事。
赤い液体で出来た生物では霊能者、エルフに対抗出来ないが、肉を持つ兵器なら剣の一本しか持っていない小娘等、他愛も無いと思っていたのだろうが、
『タッタッタッタッ!!!!ザシュン!!!!ザシュン!!!!ザシュン!!!!ザシュン!!!!』
アサルトライフルとヒートソードは、ミノタウロスを仕留めるのに十分な武器であった。
一応、対初実用に足が車輪に変わって、四駆のように走って来るのだが、前足を撃ち抜いて、前のめりに倒れた所に、ヒートソードも持った兵士達が啄むよう首に刃先を突き立てて、瞬時に殺害する。
『グゥルゥォォォォ…………』
ここで敵が、大型のミノタウロスを差し向けてくれば話しも変わるのだが、遠くから聞こえるドラゴンの咆哮から分かる、核露が自分達と合流して来ないのは、大型の敵を引き付ける為に城の中で暴れ回っているという事を。
ドラゴンを止められるのは大型のミノタウロスだけ、ドラゴンを止めなければ、城の中を闊歩されて、そこれこそドラゴンが心臓部へと辿り着く。
「彼が仕留めても良いんだろうけど、それをしないのは仲間想いね」
別に初実達が敵の心臓を止めなくても、核露が止めても問題無いのだが、こっちが動きやすいようにと、ミノタウロスを呼び込むように暴れている。
「あの子の為にも、早く決着を付けましょ」
それは自分達に、敵の心臓を仕留めろという合図。
「ドンドン進みましょ、あなたが導いてくれる先へ向かえば、敵の心臓に辿り着けるわ」
「はい」
初実の感じるがままに進む……初実が呼ばれるままに進む……行く先には敵の心臓がある。




