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帰郷297

「ただの棒ですが?」



「そうよ、エセ科学だもの。でもね」



「私ですか?」



霊力を込めたとか、マナが溢れているとかの特別な力は無い、本当にただの銀の棒、これで何が探せるのかと思ったが、リミィのクローンが初実を指刺す。



「あなたはエルフ、霊能者、アフレクションネクロマンサー、そして今回の運命の渦。あなたの無意識がダウンジング棒に影響を与え、あなたへ影響を与えるモノが、その手を震わせる」



ダウンジング棒は、無意識化レベルの感覚を視覚化する為の道具。



宝物だけでなく、地下水脈を引き当てるのにも使われるダウジング棒、それは人間が感じ取っている些細な感覚を、繊細な手の揺らぎで震えるだけのただの棒。



「何も意識しなくて良いの、ただその棒を持ってて」



「分かりました……」



「それじゃあ行くわよ」



言われるがままにダウンジング棒を持つ初実、その初実を全員で囲むと再び走り出す。



「それって自分じゃダメなんですか?」



「リナちゃんの野生の勘も凄そうだけど、これは、お嬢さんの方が上手かしら」



最初からそうしなかったのは、エルフでもあるリミィのクローンなら、ダウンジング棒で敵の心臓部に行けるかと思ったが赤い液体の影響なのか、精度が著しく鈍って役に立たなかった。



「あの……ダウンジング棒が左に曲がったのですが」



「そっちね」



リミィのクローンは、自分よりも幼い少女の言葉を疑う事無く従う、走っては右に、走っては左に、自分達の身長程はある階段をよじ登っては走る。



「それにしても大型の敵が来ないですね」



「ドラゴン君が頑張ってくれてるお陰ね。後で褒めてあげないと」



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