帰郷296
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「降ろしてよ!!!!」
「大人しく、お荷物してて!!!!」
初実を抱えながら城を駆ける、敵から逃げる為では無く、敵の心臓を見付ける為に。
「私を殺そうとした癖に!!!!」
「今は殺さない!!!!裏で殺したら火内君が軽蔑するから!!!!殺すなら、火内君の前で正々堂々殺す!!!!」
「頭イカれてるの!!!?このサイコパス!!!!」
「見付けられそうですか、隊長?」
「そうねぇ、ちょっと難しいから?」
リナと初実をキャンキャンと騒がせて、二人で遊ばせている間に敵の心臓部を探すのだが、敵の本拠地を見付ける事が出来無い。
もちろん、城の中の地図がある訳でも無く、下見をしていて場所が分かっている訳でも無い、まっさらな状況でこの城の中に来ている。
「隊長の神通力でもダメですか?」
「お呼びじゃないって事ね」
何処をどう行けば良いのか何て、手探りで調べなければならないのだが、ここで一つの奥の手を持って来ていたのだが、それが役に立たない。
「リナちゃん、お嬢さんを降ろしてあげて」
「良いんですか?足手纏いになりますよ?」
「お……お前は……この戦いが終わったら覚えてろ……」
「じゃれ合いはそこまで、お嬢さんを降ろして」
初実の中で、リナがあほんだらな奴から、仕留める相手だと認識を改めた所で、リミィのクローンからの指示で降ろされる。
「…………」
「…………」
沈黙のまま、初実とリナが睨み合っているのは、まだ二人に理性が残っているから、拳を相手の頬に叩き付けたい怒りを理性で抑える。
「さっ、これを持ってお嬢さん」
「はい……」
リナの顔面に叩き込みたい拳を、リミィのクローンに差し出すと、銀のL字の二本の棒を渡されて……
『クルン』
「リミィ隊長……」
「こっちの方角ね」
持たされるがままに持った銀のL字の二本の棒が、ハの字に開く。
「あの……これは……」
「これはねダウジング棒と言って、お宝探しや水脈探しに使われるエセ科学よ」
「エセ科学?」
自分の手に持たされた二本の銀の棒、ダウンジング棒をマジマジと見る。




