帰郷295
『ボタ……ボタ……』
食い千切った喉の肉を銜えているドラゴン、瑞々しい肉から滴る新鮮な血は熱い。
『ギュラギュラギュラギュラ!!!!』
後方で構えていたミノタウロスが、キャタピラを逆回転させて後ろへと下がる。
手の武器が壊れていては戦えない、下がる事は仕方無い事で……
『バッサン!!!!』
『……!?』
肉を銜えたままドラゴンが距離を一気に詰める。
ひしゃげた丸鋸を回転させて、腕を振り回して抵抗の意思を見せるが、その意思が反抗には繋がらない。
『チュゥイン!!!!チュゥイン!!!!』
『ベチャ!!!!』
ドラゴンの鱗で、ひしゃげた丸鋸が弾かれたのに合わせて、血の滴る肉が顔面に吐き出される。
『ブゥモォ!!!?』
顔面を濡らす赤い血、赤い血で目が濡れる。
『ブゥゥゥモォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!』
赤い血で目が濡れているのに、顔を擦る事が出来無い……屈強な肉体なのに、顔一つ拭えない貧弱な肉体……
『チュゥイン!!!!チュゥイン!!!!』
目を塞ぎながらで腕を振って、ドラゴンを仕留められるはずが無く、
『ガッ……ブチブチブチブチブチブチブチブチ!!!!』
腕を掴まれた瞬間に、腹を握られて首を噛まれる……目を瞑っていても分かる……自分が終わる事を。
(余裕がある……苦しめない余裕が……)
核露は、ミノタウロスに組み付いている。
空を飛んだままでは力を入れにくい、足の爪をミノタウロスの肉体に喰い込ませて、足を固定させる。
『ブチブチブチブチブチブチブチブチ……ブッチン!!!!』
『……!!!?』
目を開けられないミノタウロスが暴れ狂おうとするが、実力でねじ伏せて首に噛み付き、喉を食い千切る。
これでミノタウロスは命を絶たれるが……即死ではない心臓が動いて、脳に血が巡る限りは苦しむ。
『ガッ!!!!バサン!!!!』
『ゴキチン!!!!』
ミノタウロスの体から、首に組み付くと体を一回転させて介錯を行う。




