帰郷211
一時の平穏かもしれないが、全員五体満足で帰って来れたのは御の字。
こうしてみんなで気楽に、テレビに釘付けになっていられるのは、命あってこそ。
『それでは、こちらの指揮を執られている指揮官殿に話を伺いましょう』
「あっ、あの人達だ」
「あぁ、あの模造品か。なんか厄介事が好きそうな奴だったよな……たくっ、リミィの肉体で好き勝手やりやがって」
テレビに一瞬だけ、リミィのクローンと案内人が映ったが、アナウンサーは別の人物に声を掛けにいく。
「てっきり、あの人達が指揮を執るのかと思ったんですけど、違うんですね」
「いや、あいつが指揮官だろうな。今、テレビで顔を出しているのは広報担当だろうよ」
「そうよ、指揮官がテレビで顔を出してたら、他の国のスパイに寝首を掻かれても文句は言えないわ」
「あっ…あなたは……」
「そこの人曰く、リミィの模造品よ」
「こんな所に居て良いのかよ。敵さんが、お待ちかねじゃないのか?」
「敵も一息入れてる所よ。私達も座りましょう」
「失礼します」
テレビに夢中になっていてリナ達の側に立っていたのは、今しがたテレビの中に映ったリミィのクローンと案内人で、二人はリディ達の横に座る。
「あれはやっぱり、撮影されているやつ何ですね」
「そう、万が一にも生放送で敗走している所なんて映したら、フアニが大騒ぎになっっちゃうから、しっかりと勝った所が見れるわ」
案内人はそう言うと美優ににっこりと笑ってから、テレビに視線を向ける。
『ドッスンンン……ドッッッスゥゥゥゥンンンン……ドッスンンン……ドッッッスゥゥゥゥンンンン……ドッスンンン……ドッッッスゥゥゥゥンンンン……ドッスンンン……ドッッッスゥゥゥゥンンンン…………』
『あ……あれが未確認の兵器……』
『我々は現在あれと交戦しています。しかし、ご安心下さい。我々は既にあの兵器に対して、優位に立っています』
「ほらっ、始まるわよ」
映画のエキストラとして自分が出ているかのように、食堂にいる全員にここから見所が始まると、リミィのクローンがはしゃぐ。




