表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/80

帰郷212

「そんな、はしゃぐもんじゃねぇだろ。勝った試合なんだ、ダイジェストで良い」



既に勝利が確約されている映像だって分かっていると、これから見るのが途端に陳腐になる。



テレビの中では、ヘルメットを被ったアナウンサーが迫真の演技で、まるで今この瞬間に戦闘が行われているかのように騒ぐ。



平地に並べられた対空戦車が、角付きのペガサスに砲身を合わせると、爆竹を破裂させたかのような絶え間ない砲撃が始まる。



「良い選択だ。クラスター爆弾なんて、あんなのバカスカ撃てる兵器じゃねぇ」



対空戦車の機関砲が、大量に浮かぶ角付きのペガサスに対して無数の弾丸を撃ち込むと、まるで殺虫剤をかけられた蚊のように、ボトボトと落ちていく。



「あれで止めを刺すんですね」



「そうよ。防衛なら、陸軍の方が優秀なの」



瞬く間に、角付きのペガサスの肉壁が消えて、城型のゴーレムの正面にポッカリと空間が出来上がり、そこに控えていた戦車から次々と砲弾を撃ち込まれると、城型のゴーレムが破砕されていく。



そんな城型のゴーレムを守ろうと、キノコの兵士とミノタウロスが平地を駆けて突っ込んで来るが、そこには歩兵団がいる。



差し迫って肉弾戦を挑もうとしても、重火器による弾丸の壁を乗り越える事は出来無い。



古い時代の軍隊は、現代の攻城戦の前に打ち負かされるのであった。



「圧倒的じゃないスか、我が軍は」



「これなら敵も怖くないね」



リナとミィオは、自分達が散々苦労させられた相手が、こうも容易く処理される姿を見て、自分達はお役御免とばかりにしているが、



「お前達、この状況がいつまでも続くと思うな。均衡が崩れれば、あっという間だぞ」



「あっという間?」



「そう、リディの言う通り、私達は薄氷の上で頑張っているというのが、正しい見方かしら」



「そりゃどうも、リミィのクローンさん」



リディは、リミィのクローンに対して目を吊り上げるが、そんな敵意を剝き出しにするリディに対して、リミィのクローンは微笑みを返す。



「あの……あっという間というのは……」



二人の関係が良好じゃないのは分かっているが、それでも何が「あっという間」なのかを聞きたくて、リナはおずおずと二人に声を掛けるが、



「リナ、テレビの画像を見てみな。戦っているのは平地で、使っている武器は全て環境が整っている所でしか使えない。森の中では、戦車も対空も使えない」



二人の関係に関わらせないようにと、美優が代わりに答えてくれるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ