帰郷213
「さすが美優ちゃん、あなたの言う通り。用意した部隊は、平地のように切り開いている場所じゃないと展開出来ないの」
案内人も、二人がバチバチにやり合っているのを止めようとせずに、美優の洞察力を褒める。
「でも、クラスター爆弾があれば森の中でも……」
「このままだと在庫が尽きそうなのよ」
「製造が追い付かないんスか?」
「ちょっとニュアンスが違うんだけどね。クラスター爆弾対策で、角付きのペガサスの量が増えたのもそうだけど、トビウオみたいな膜を張るのが出て来て、それが広域に展開しているの。クラスター爆弾だけで全てを落とすとなると、とてもじゃないけれど足りない」
「そうなんですね」
となればテレビの中に映っているように、質より量の無数の弾丸による迎撃が適しているという事になる。
「あれがスーパーロボットで、弾丸が一発も通らない敵じゃないのが救い。平地なら間違い無く、こちらの方に分があるわ」
「逆を言えば、森の中は負けているという事ですね?」
「そうなの。今回こういう番組を作ったのは、森の方で住んでいる住人が生き残って、あの兵器に付いて喋っちゃったのと、遠目からでも確認とれるから疑いようがないでしょ」
「暴動を起こさないようにですか、大変ですね」
「脚色をしないで、実際の戦闘を撮っただけだから楽よ」
痛快爽快な映像、自分達を苦しめた敵が薙ぎ倒されていく姿は、生き延びた者達の留飲を下げ、伝播した不安を掻き消すのに十分な物であった。
「それで、これからどうするんですか?まさか、森をあいつらにくれてやるという訳じゃないですよね」
棲み分けといえば聞こえは良いが、ポッとでの連中に自分達の領土を取られては堪らないし、まして奴等がお行儀良く、棲み分けをするとは限らない。
「それそれそれなのよ、敵の本陣を潰すわよ」
「それそれそれなのよじゃねぇんだよ。勝手に問題を持ち込むんじゃねぇ」
リミィのクローンが本題だと言わんばかりに、案内人達の会話に首を突っ込んで来る。




