帰郷210
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「それでも人類は、あの城の形をした兵器を仕留め切れないんですね」
「ややこしい奴等だよ。向こうは向こうで、今度はトビウオみたいのが羽を伸ばして、防護幕を張り始めて……どっちが先に根を上げるやら」
リナ達はあの後、真っ赤な不思議な国のアリスの世界から脱出した後、前線基地まで戻っており、今は基地中の者達と食堂に集まって、テレビを見ている。
『皆さんご覧下さい。この勇猛たる部隊を。現在、所属不明の敵が襲撃して来ておりますが、我々が無事にいられるのは、この最前線で防衛を張っている兵士の皆さんのお陰であります』
「プロパガンダとは言わねぇが、こういうのを見ると苦笑いしたくなるな……まぁ、嘘を言っちゃいねぇんだけどな」
「負けそうですか?私の目では、十分な戦力が揃っているように思えますが」
テレビの中に映る大部隊にリディが苦笑をすると、シュライトが心配そうな声を漏らす。
「いや、不安がらせて申し訳ない。ここまでの状況を知っている自分達にとって、敗北も味わっている訳じゃないですか。市民を不安がらせる必要は無いから、勝っている部分だけを見せるのは分かっているんですが、違和感を覚えてしまって」
「そうですよね……良い所と、実際の状況では違和感を覚えますよね」
そう、ここまでの拮抗する状況を造るのに、一進一退の戦いをしていて、戦死者も犠牲者も出ているが、テレビではその部分は極力抑えられている。
「こうやって戦場を見せるというのは、勝つ自信があるという事ッスよね?」
「勝ったのを生放送として、放映しているんじゃねぇか?勝ったのを見せられるのと、生で勝つ所を見せられるのじゃ、士気の高まりが違うからな」
ミィオの質問に、美優が腕を回しながら答える。
「美優さん、身体は大丈夫なんですか?」
「お前の傷同様、完全に癒えてるさ。それに新品だからか、いつもより調子が良い位さ」
機械の腕を爆弾にして片腕になっていた美優だが、持ち込んでいた予備の腕を取り付ける事で、すぐさま
両腕に戻り、リナもリナで、包帯でグルグル巻きにされていたが傷は浅く、一日で裂けた肉は癒えていた。




