帰郷289
「預かるわよ」
転げ落ちた所を間髪入れずに、リミィのクローンと案内人がリナ達を回収して、全員で走り出す。
「離してよ!!!!」
「わがまま言わないで!!!!火内君が戦えないの!!!!」
神輿を担ぐように持ち上げられては抵抗が出来ずに、自分の意思とは関係無しに運ばれる。
「この馬鹿力!!!!」
「うるさい!!!!ひょうろくだま!!!!」
野生で過ごしていた初実、筋力や体力は並大抵では無いが、それでもRLHに抱きしめられては振りほどけない。
「もぅ核露!!!!鞍にあるから、万が一の時は使って!!!!」
せっせと運ばれるがままに、連れて行かれる初実、これで自分の周りには仲間はいない。
『ギュルルルルルル!!!!』
(これで……やり合える!!!!)
ミノタウロスの角から手を離し、爪を立てると喉を狙う。
赤い液体ではない……だから、なんだというのだ?生きている生物だというのなら殺せば良い。
『サシュ!!!!』
『ブゥモォ!!!!』
(ちっ……)
下からの命を絶つ地獄突きだが、姿勢の悪さ、皮膚の分厚さに、こちらの意図を読んで首を引いてのスウェーバックで、皮を裂くだけで不発に終わる。
『ブゥゥモォォォォォォォォォォ!!!!』
『ギュルルルルルル!!!!』
首元を狙われて怒り心頭になったミノタウロスが、噛まれている腕の方の丸鋸を、ドラゴンの首に押し付けようと躍起になる。
(力の差は理解している)
ドラゴンの首と、ミノタウロスの腕ではさすがに、ミノタウロスの腕の筋肉に分が上がる。
初手をしくじっては、自分の首が刎ねられる前に、二度目の地獄突きは出来無い。
『バサン!!!!』
初実が背中がに乗っている時には出来無かった選択肢、羽を使ったバク宙、一瞬でミノタウロスの背後に回って……
『『ギュルルルルルル!!!!』』
『バサッ!!!!』
喉を掻きむしってやろうとしたが、虫を払うように丸鋸の腕を暴れさせる為に近付けず、そのまま距離を空ける。
「すっ……」
『グゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!』
一度、息を吐き出して態勢を整え直して剥き直すと、ミノタウロスもキャタピラをして転回し、それに合わせて丸鋸を突き出して突進して来る。




