帰郷277
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「それじゃあ、開けるよ」
「気を付けて」
お人好しの核露。
自分のすべき事を忘れている訳では無いが、道半ばであった者を捨ててもおけない。
城の扉に手を当てて、自分の中に溜まっている生命を鍵にして扉を押す。
『ゴゴゴゴゴ…………』
火炎放射器で蕩けるだけであった扉が、ドラゴンに押されると、両開きで城の奥へと開いていく。
「敵は……」
細く開いた隙間に首を覗かせて、中の様子を確認を……
『『ブゥッチュン!!!!』』
「がはっ!?」
両扉の蝶番が突然消えると、両の扉が核露を挟み込んでぶつかる。
「核露!?」
「こっのっ!!!!」
体は扉にプレスされたが、初実は咄嗟に羽で守った。
手痛い一撃ではない、外れた扉がぶつかっただけでは、ドラゴンに致命傷を与える事は出来ない。
『『バッゴォォッッンン!!!!』』
核露は両の手をグーにして、仕返しと言わんばかりに自分を挟んだ扉を弾き飛ばす。
「あの子、未熟ね。戦士の勘というのが欠如してるわ」
勇ましく反撃して、敵を威圧するつもりだったのだろうが、その行為はリナのクローンには愚策でしかなかった。
敵の攻撃を受けて、その場で両手を広げて大の字で仁王立ちになれば、
『『ジャララララララ!!!!!!!!』』
「しまっ……!!!?」
城の内壁から鎖が飛び出すとドラゴンの手足に絡まる。
両の手を広げているという一番力が入らない状況での拘束、それは敵が意図した事では無い、核露が敵陣の中で見栄を張ったから起きた事。
『『ブゥモォォォォォォォォ!!!!!!!!』』
『『『『ヒィッ……ヒィィィィィィィィィ!!!!!!』』』』
この好機に、手を出さない間抜けはいない。
庭に飾られていたミノタウロスの像が城から千切れると、生命の息吹を以って動き出し、それを護衛するかのように上空で遠巻きに様子を窺っていた角付きのペガサス達が降下して来る。
「火内君!!!!」
「あらっ、ダメよ。折角の奥の手が見れないじゃない」
この状況は不味いと、手助けをしようとしたのだが、リミィのクローンに腕を掴まれるのであった。




