帰郷274
扉から覗く顔達には、体が見えない。
顔の輪郭はハッキリと見えるのに、体だけは見えない。
「幽霊…妖怪……と言うんですかね?」
「怖い?」
「RLHのクローンも、モノノ怪の類と同じですが、あまり気乗りのするものではないですね」
自分達も死んだ人間から創られた人間、それを考えればゾンビと言っても差し支えないのかもしれない。
「他の赤い生物に銃弾が効くのですから、あれも効くとは思いますが」
「確認は大事よね」
『バンッ!!』
『ブチュブチュブチュブチュブチュブチュブチュブチュ!!!!!!!!』
アサルトライフルから放たれた弾丸で赤い顔が一つ吹き飛ぶと、扉から顔を覗かせていたモノ達が、蜘蛛の子を散らすように慌てて城の奥へと逃げ込んで扉が閉まる。
「ねぇ、核露君?火内君?どっち呼びが良いのかな?」
「核露!!」
「火内君!!」
「……落ち着くまではドラゴンでお願いします」
こんな事で「火内」の名前を使っている事を後悔する日が来るとは思っていなかった。
「それじゃあドラゴン君、リナちゃんを、こっちに渡してくれるかしら」
「あっ……はい……」
手の平で捕まえているリナを、ゆっくりと降ろして、タンポポを渡すかのように手渡す。
「離して!!!!」
「あんまり、やんちゃをしちゃダメよ」
殺意を抑えないリナを、なだめるリミィのクローン。
「あの……あなたは何者なんですか?」
「あらっ、私が気になるの?」
バタバタと暴れるリナを押さえつける人。
リナのバタバタは、子供の駄々をこねるとは訳が違う、それこそ核露が人型のドラゴン形態にならないと抑え込めないのに、目の前の人はリナを羽交い絞めにしている。
リナを抑えられる人、一体どんな人物なのかと気になるのは当たり前の話。
「私はリミィというRLHのクローンよ」
「RLHのクローン?RLHのクローンって……」
それが意味するのは、リナと同じRLH……同等?という事なのだろうか。
(でも…RLHのクローン……)
RLHのクローンという存在、何でそんな存在を創っているのかと、核露は気になってもう少し話を突き詰めようとしたが、
「あのリミィって……私達の世界の姫様だった?」
「やっぱり、あなたは向こうの世界のエルフなのね」
初実が横入りをする形で話を遮ってしまう。




