帰郷266
「行ってらっしゃいッス……」
正面突破の奇襲で、敵の拠点へと走り出したリナを尻目に、ミィオ達も走り出す。
「大丈夫さ、あいつは悪運もある」
「いくぞ二人共、敵とは距離を空けろ!!!!絶対に敵に突っ込むな、味方の流れ弾で死ぬぞ!!!!」
台風の渦に巻き込まれに行くミィオ達、目的は火内の捜索だが、突っ込んで行く兵士達に紛れ込んでいく。
火内を探すというのは間違いないが、方針を変えた。
自分達はリナを貸し出す代わりに、火内探索隊として、第三部隊として行動する予定でいたが、それで本当に良いのかという話になった。
(火内君は、見付けてくれるッスよね。自分達の事を)
この戦場に火内は来るとは思っている、しかし、自分達が探しても会える気がしない。
火内には火内の事情があるのは、見せられた写真からも分かる。
鳥かごに戻らずに、自分の意志を貫いて敵と戦っているとなれば、自分達と会う事よりも戦う事を優先するだろう。
だが、そんな状況でも火内を自分達の所に、召喚する方法が一つある。
「わざとは止めておくんだぞ!!!!命を危険に晒すし、火内も怒るかもしれないからな!!!!」
自分達が危険に曝されれば、火内は事情を切り上げて来てくれるだろう。
これは苦渋の選択であった、火内の邪魔をする事になる……しかし、自分達は火内と会いたい。
火内と会えれば、自分達は戦力になれる、それは決して火内にとっても悪い話ではない……そう言い訳を考えて戦場に赴く。
_____
(火内君、みんな所に行ってあげてよ)
ミィオ達の作戦を聞いた時、本音を言えば残りたかった。
友達が危険な所に行くなら、守らなきゃと思ったが、自分の使命が許さない。
「良いペースです、これなら昼までには忍び込めます」
「えぇ、このペースを崩さないでね。これは単なる散歩、敵の本拠地で暴れるのが目的なんだから」
リナの足のペースは、敵の本拠地へと向かう者達と何ら変わらない。
D兵器が生み出す戦いの渦に巻き込まれないように、外に大きく回り込みながら進むが、後ろ髪を引かれる事がなければ、足が乱れる事も無い。




