帰郷262
煌々しい光を放つ群れの中から離れる、特殊な任務を帯びた部隊。
二機のD兵器を積んだトレーラーにも同じく、紺色のカバーを被せている。
隠密行動で群れから離れて遠くへと、敵の本拠地を狙える場所まで移動する。
朝日が昇れば紺色の姿は目立つ、そして、その目立つ姿が太陽に下に晒された時、そのまま争いが始まる。
もう休む暇は無い、もう戦いは始まっている。
闇夜を照らす大部隊と、闇夜に紛れる特殊部隊。
敵を仕留める部隊と、囮になる部隊。
時が経つに連れて、闇夜の世界に光が染み込む。
世界は深い海の底のように青く、まだ姿を隠す事が出来る。
「そろそろね」
「はい、戦いが始まります」
青く染まっている世界に紛れ込んでいられるのは、太陽が姿を現すまでの、ほんの僅かな時間だけ。
それでも、そのほんの僅かな時間で出来る限り前進を行い、
「始まるわよ」
青い世界に光が一気に押し寄せると、景色が光に包まれ、闇夜に紛れていた者達を白日の下に晒す。
『『キュィィィィィ!!!!!!!!』』
トレーラーに隠されていた二機のD兵器が、紺色の布団を剥ぎ取って姿を現す。
翼のエンジンに火を灯し、体を浮き上がらせると敵のテリトリーである森を飛ぶ。
敵を誘い出して、本拠地を手薄にする役目なのだが、
『『『『『バッッッッッッッッッサァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!』』』』』
『『『『『ドッドッドッドッドッドッドッドッ!!!!!!!!』』』』』
『『『『『グニュグニュグニュグニュグニュグニュ!!!!!!!!』』』』』
飛んだD兵器に呼応して地上から、大量の角付きのペガサスが飛び上がり、森の中から、おびただしいミノタウロスと、見た事の無いシメジの蛇が姿を現す。
「新種ね」
「器用な事をしますね」
八岐大蛇を模倣したのか、蛇のようにニョロニョロした胴体をもつシメジが、大小の頭を振って突撃して来る。
敵は全てを叩き込んで来た、それも見た事の無い敵を交えてだ。
敵を誘い出して、敵の本拠地から敵を引き離すという作戦であったが、これでは余りに数が多すぎる。
『ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!!!!!!!!』
『キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!!!』
「待ち伏せしていましたね」
「そうね。やっぱり何かしらの方法があるのかしら」
奇襲に対する迎撃、それを可能にしたのは、赤い存在が夜を見渡せる事であった。




