帰郷261
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闇夜の中を進行する部隊。
大部隊の群れが、大きく展開している事を敵に気付かせるために、ヘッドライトを付けて移動する。
闇夜の中を煌々と移動するのが、何かしらの策を講じているのは、勘付く必要すらない。
『『『ドッスゥゥン……ドッスゥゥン……ドッスゥゥン……ドッスゥゥン……』』』
重たい音を踏み鳴らしながら、赤い城が森の中で広く展開すれば、
『ブゥゥ…………』
『『『モキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュ…………』』』
同じく森の中で、ミノタウロスとキノコの兵士達も移動を始める。
森の中に入ってくれば襲うと牽制しながら、こちらの動きに合わせる。
「敵は付いて行きますね」
「そうね。罠だと分かっていても、部隊を展開しないといけない」
リミィのクローンと案内人は、車の窓ガラス越しに、敵の動きを観察する。
敵は、自分が光に群がる虫だと分かっていても、光を追うが、それは愚かな行為ではなく当たり前の話。
仕掛けられている以上は、敵の手打ちを知る為に、動きを合わせないといけない。
「引っ掛かってくれますかね」
「引っ掛かるわよ。敵も賢いもの」
煌々しく煌めく大部隊の中から、闇夜に紛れるように紺色のカラーリングをされた部隊が、こっそりと、群れの中から離れる。
「光を利用したトリックは、昔からあるのよ」
「えぇ、昔からの由緒正しき戦法ですからね」
古の戦法で言えば、牛の角に松明を巻き付け、敵の城に突っ込ませて奇襲を仕掛け、敵が防衛の為に移動した所で、手薄になった所を攻め落としたという記録もある。
旧世代で言えば、敵を誘い出したい所へと、少数の部隊にライトを着けさせて移動させ、その後にライト消灯させて陣地に戻し、そこからまたライトを付けて移動させる事で、小部隊がただ行き来しているだけなのに、敵には、大部隊で移動していると錯覚させるという戦法もあった。
『『『ドッスゥゥン……ドッスゥゥン……ドッスゥゥン……ドッスゥゥン……』』』
『ブゥゥ…………』
『『『モキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュ…………』』』
光を使った戦法というのは古から戦法として存在し、その戦法を使って、赤い存在達を騙くらかすというのだ。




