帰郷258
「リナは感じ取ってるんスね。強敵を」
「ピリピリする……この間の何て比じゃない位に……」
リナが昂っている、自分の役目を果たせると、人類の敵と戦えと本能が叫んでいる。
「勝てそうスか?」
「殺されるかも」
リナは遠い目をしている、戦いにおいてのリナは間違い無く天才、RLHという天性に天才という気質が合わさった存在。
そのリナが肌に感じる感覚だけで「殺されるかも」というのは、ただ事ではない。
「それなら、あのリミィって人に……」
「戦わなきゃ、あたしが戦わなかったら話しにならない」
自己犠牲の精神で敵陣に向かうのではない、リミィに連れられて嫌々行くのではない、決着を付けないといけない敵がいるから行くのである。
これは渡しに舟。
本来なら、雑魚が多過ぎて敵陣に行けない所を、リミィのクローンが連れて行ってくれるというのだから、これほど有難い話は無い。
「それでも……リナなら勝って帰って来るッス」
「うん、負けないよ……」
リナの顔に笑顔は浮かばない。
『カシュン』
「あのリナさん、ミィオさん。食事を持って来て来たのですが……」
「凜ちゃん、ありがとうッス」
「凜ちゃんは、火内君みたいだね」
「元気が出る様にって、作ってくれた料理なんです。人はお腹で元気になれるからって」
凜が運んで来たのは、パンからはみ出る程のハンバーグを二つも挟んだハンバーガー、野菜をコトコトと煮込んだ野菜のスープ。
これで様々な栄養を取れるようにという配慮、具材を豪華にする事で気分を高める気配り、火内でも同じ食事を、リナの為に用意しただろう。
「うん、美味しい」
ハンバーガーに噛み付き、スープを飲み込む。
用意された食事をあっという間に食べ終えて、食べた食事の感想を述べる。
戦いの前でも食事が喉を通るのは、リナが食いしん坊だからと言いたい所だが、
「リナさん……調子が悪いんですか?」
「そんな事は無いけど、気になった?」
「食事の取り方が、いつもと違ったので」
大喰らいのリナにとっては、こんなのは簡単にたらい上げてしまう食事なのだが、今回の食事に限っては、単なる栄養補給のように胃に流し込んでいた。




