帰郷255
「こればっかりは、どうにもならねぇか」
先にも述べた通り、貸し出されたジェットパックは一つしかなく、RLH用のパワードスーツも一機しかない。
そのジェットパックも、軽量なRLH用のパワードスーツを跳び上がらせる程度の出力しか無く、パワージャケットに、鋼鉄の体を持つ美優とパワードスーツを持ち上げるのは、夢のまた夢である。
「そういう事だ。この作戦にはリナだけ行って貰う事になるが良いか?」
「あたしは大丈夫です。リディさん」
わざとリナだけを来させようと、このような事をしているのではない。
ミィオ達も来てくれるなら戦力になるとは考えているが、相手の本拠地は動く城。
下手に近付けば、どこに逃げ出すか何て予想が付かない。
その為に、城の真下まで近付き、ジェットパックでいきなりの奇襲を仕掛けようというのに、パワージャケットやパワードスーツをワイヤーで引き上げている暇は無い。
「あのD兵器に、連れてって貰えないんスか?」
「あれは囮だとさ。居残り組は居残り組で火内を探そう」
「そうですね。火内を見付ける事が出来れば、城に連れって貰う事も出来るかもしれないですからね」
話しが少しややこしくなっているので、整理整頓をすると、リナ達の目標は火内を見付けて鳥かごに帰る事。
リミィのクローン達の目的は、この世界を飲み込もうとする、あの赤い存在を消し去る事。
本来なら、この二つの目標と目的は交わらずに互いに干渉する事は無いはずだったのだが、ドラゴンである火内が、赤い存在に対して敵対行動をしている事で、目標と目的が合わさる。
「火内君はきっと、あの城に来るッス。それなら周辺にいれば自分達の事を見付けてくれるッスよ」
「うん、火内君が戦わないといけない相手なら、あたし達も協力してあげないとだよね」
リナは一人で、リミィのクローン達の手伝いに行く事にはなるが、リミィのクローン達は、大勢でリナのドラゴン探しを手助けするという形で、互いに共存する関係性が築けている。




