帰郷207
「……っ!!!?」
脳裏に、バードストライクが思い浮かぶ。
鳥が飛行機にぶつかる現象。
『隊長!!!!避けて下さい!!!!』
自分の命を差し出す突撃、自分が死んででも、相手を殺す最終手段……それを容易く……
「くっ……!!!!」
『キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!』
鉄の翼に目一杯風を受けさせて、突撃して来る角付きのペガサスを躱す。
「あれでは難儀するか……撤退の準備を始める」
「よろしいのですか?作戦は続いていますが……」
「あの空飛ぶ馬を片付けなければ、作戦も何も無い。兵装を置いて行くようなヘマをするなよ」
地上の方では、戦闘機のナパーム弾の投下の後に掃討戦を行う手筈になっていたが、空があれでは、前進する事が出来無い。
兵士は無限では無いのだ、作戦は空軍が道を切り拓いたら続くというもので、陸上部隊が死の血路を拓く作戦では無い。
兵士も武器も全てが貴重な存在、無駄な消費をしないように撤収の準備を行いながら、前進する城型の兵器を遠目に観察していると、
「例のあれが始まるぞ」
「陸の空母ですか」
城型の兵器が四つん這いになると、そこから馬が次々と空へと上がっていく。
「肉の盾を出されては、飛び上がるのを防ぐ手立ては無いな」
「いやらしい敵です……あれは……」
「おっと、全員撤退だ。敵の攻撃が来るぞ」
『『『ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ!!!!!!!!!!』』』
全ての城型の兵器が、四つん這いになって馬を発進させる空母になった訳では無い。
中には両腕の先を大砲にして、四つん這いの空母を護る為の戦艦となる、城型の兵器もいる。
「こちらも、あのような陸の戦艦が欲しいですね」
「そうだな、人型の兵器なんて……ってアニメの世界だけだとバカにしてたが、こうやって森の中を走破されると、二足歩行の便利さを痛感させられるよ……まっ、四足歩行の方がより安定すると思うがね。見てみろ、戦闘機が撤退していくぞ」
戦艦と空母の苛烈な攻撃に、耐えられなくなった戦闘機がトンボ返りしていくのが見えた。




