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帰郷243

_____



「戦闘は既に始まっている。対空砲火に巻き込まれるな」



『『『了解』』』



空を降下して来る、ドラゴンを模したD兵器、それが一機や二機の話ではない、三十機はいる。



「君達は、D兵器を使った戦闘は今回が初になるが、元よりヘリのパイロット、苦労する事は無いだろう」



鳥かごで製造された、都市等の街中での戦闘に特化させた兵器であるD兵器、それを運用する為にヘリのパイロットを転用した。



鳥かごという閉鎖空間で飛ぶというのは、ヘリコプターを墜落させないというのもそうだが、テロに使わせないように、家族構成から精神鑑定までされたエリート中のエリート。



「対空機関砲が止んだ隙に一瞬で突入する、怯んだり怖気づいてしまえば、防衛がそれだけ止む事になる。繰り返すが「一瞬」だ。時間を掛ける事は許さない」



『『『了解』』』



眼下では戦闘が始まっている、作戦は地上にいる敵の殲滅と言うのは建前で、ドラゴンの保護。



地上の方からドラゴンの写真が送られて来て、上層部は虎の子のD兵器を投入するという判断を下した。



(とんでもない事をしてくれる……)



部下を引き連れながら、先頭を降下する隊長は内心では、苦々しく思っている。



(彼等が居ないこの状況で、降下させるなんて……)



鳥かごの中で活躍したあの二人は、先に地上に降ろしたのだが、それが裏目に出た。



「行くぞ!!!!遅れるな!!!!」



『『『了解!!!!』』』



こうして指揮を執るのは良いのだが、あの二人が前に出てくれた方が流れを作れる。



『ヒュュュュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!』



エンジンを吹かせて風を切る、自分達の突入の為に防衛網を止めるのだから、出来る限り一瞬に近付けなければならない。



『隊長、敵の迎撃を!!!!』



「上の層は相手にするな、我々は中を殲滅する」



気がはやるのは仕方無い、自分だって指揮を執る側の立場でなければ、目の前の敵を今すぐにだって撃ちたくて堪らない。



下方では、赤くて空を飛ぶ物体を落とす為に砲撃が行われ、入り込む隙が無く、このままでは仲間の弾丸に曝されると、レバーを引いて機首を上げたくなるが我慢する。



『『『ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!!!!!!!!!!!!!!』』』



連絡は付いている……信じているではなく、軍人ならば職務を全うするのは当然の義務、軍人なら、こちらの動きに合わせて対空機関砲を止めるのが当たり前の話だが、まだ弾丸が止まらない。



「まだ粘れる……」



対空機関砲に曝されれば、D兵器は無事に済まない。



自分の中でのデッドラインを引き、そこまで突入してダメなら旋回するという判断をし始めた時だった、



『『『ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ………………………………』』』



こちらの動きに合わせて対空機関砲の砲撃が止む、自分達が入り込めるようにと、弾丸の暴風雨が止んだ。



援軍が来ているのに、地上がギリギリまで粘ったのは、敵が侵攻している中で防衛網を開放するという事が、どれだけ危険かという事を理解しているから。



「突撃!!!!」



『『『了解!!!!』』』



防衛網を開放するのが良い事では無い、弾丸の暴風雨は敵の進行を防ぐ為の風、角付きのペガサスを追い払う為の神風。



その風を止めれば、それだけ敵が侵攻して来る、一刻も早く、再び神風を吹かす為にも、自分がイの一番に、神風が止まった防空網を突き抜ける。

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