帰郷241
『大変だって話だけど、実際はどうかしら?』
「もし戯れに付き合って頂けるなら、リミィ指揮官の見立てを、是非とも聞きたいのですが」
『あなたが居て、不測の事態に対応出来無いはずはないわ。それを予見して、あなたに指揮を任せているんだから』
「失礼を致しました。現状の報告を申し上げます」
何とも嬉しくも、恐ろしい話だ。
自分の事を評価してくれているというのは嬉しい事だが、何か起きると予測して、自分に指揮を執らせたというではないか。
指揮官の予見があっているかどうか、答え合わせをするかのように現状に付いての話、それに対してどのように対策をするかを伝えると、
『素晴らしいわ。私が指示を出す迄も無いわね』
「恐縮であります」
自分の指揮に満足してくれる。
事態は逼迫しているはずなのだが、リミィの何とも無い態度にあてられてしまうと、この時が平穏だと勘違いしそうになってしまう。
「お忙しい所に連絡をさせてしまって、申し訳ありませんでした。リミィ指揮官の作戦が成功するように、こちらで敵を引き付けますので、どうか、ご安心下さい」
こうしてリミィが連絡をして来たのは、最初に「問題無い」と伝達をするように頼んだ者が、状況が変わったのを伝達してしまった為に、連絡をして来たのだろう。
指揮官の手を煩わせたと、責めるつもりは無い、不測の事態が起きた事を伝えないといけないのは当たり前の話しであり、そこは機転を利かせたが故の行為。
それにこうして、指揮官と話が出来た事で、心もだいぶ楽になった。
「これより、指揮に戻ります。指揮官も御武運を」
これ以上、話しを長引かせるのは、お互いの作戦に障る。
会話を切り上げる為に、軽い挨拶を交わして、それで各々の作戦に戻れれば良かったのだが、
『あらっ、ちょっと勘違いしているようね。連絡が来たから、あなたを呼んだのではないわ。用事があったから連絡したら、伝令の子が、事の状況を説明してくれたのよ』
「連絡をされたのは、リミィ指揮官なのですか?」
少し話が変わるのであった。




