帰郷231
彼女にはまだ伸びしろがる、それも核露が限界を超える為にやった曰く付きの方法。
「……初実が全部をやったら、あの城型のゴーレムも一瞬で消えそうだね」
「……えへへっ、そうかな?」
「きっとね」
そこまで行ったらどうなるか……それは、自分の時みたいな化け物程度で話は済むのだろうか?
「心配しないで、頑張るから」
「うん」
今この時に、彼女の首をねじり切らなかった事を後悔する日が来てしまうのか……そんな事を考えながらも、
「じゃあ、護衛をお願いドラゴンさん」
「お姫様の言う通りに」
瞑想に入る初実の側で、核露は護衛の兵士となる。
「…………」
(リーフさんに、バレないようにしないとね)
リーフには鍛錬に行くと言ってはいるが、実際の目的は違う。
初実達の本当の目的は、自分達に協力してくれる魂を探す事。
核露は怨念を取り込む事によって力を得たが、力を貸してくれたドラゴン達の魂によって覚醒しているように、怨霊からしかエネルギーを得る事が出来無い訳では無い。
初実の血筋である宗司も「怨霊」を体に入れるなと忠告はしていたが、魂自体を取り込むなと警告していない。
(アフレクションネクロマンサー……亡くなった人の無念を晴らす英雄……)
初実が今しているのは、亡くなった魂と対話して、自分達に力をくれるモノを探している。
「…………」
(がんばれ初実)
初実が言うには、この吸い上げられる赤い液体は怨念であり、人の魂らしい。
その赤い怨念の液体から、そこから聞き耳を立ててくれる魂を探しているのだが、ノイズが酷いらしい。
どうしたら良いのか、どうすれば良いのかを手探りで頑張る初実、そんな初実に対して核露がしてあげられる事は、無防備な彼女を守る事。
初実が頑張れるとこまで頑張る、そうやって時間を過ごすはずであったが、
「なんだ……」
「核露……動いてる……」
二人は、異変を感じるのであった。




