帰郷230
初実の気持ちは理解は出来る、彼女の力は異端だ。
自分がドラゴンになれる力と、彼女の力は似て非なるモノで、自分のはあくまでも変身であり、彼女は得体の知れない力を手にした。
ドラゴンに変身出来るが、それでもそれは自分の一部分、初美の場合は、自分の体に手を加えられたと感じ
、それが違和感になってしまっている。
「初美から感じているのは……夢だよ」
「夢?」
「うん、夢を具現化したような力だと思ってる」
「夢みたいな羨ましい力……そういう意味じゃないよね?」
「うん、言葉の意味そのままだよ……夢って不思議でしょ。嘘みたいな事なのに、夢の中だと現実で……子供の時にあった出来事が、夢を見ている時は現実になって、その時が存在する……でも、目を覚ますとそれは嘘だったかのように消えて……それを初実に感じている。夢の中の現実を感じてる」
あのミノタウロスが感じていたように、核露も初実に「夢」を想像している。
悪夢と夢の違いは、自分に対して敵意を向けているか向けていないか、それだけの違い。
「……ありがとう、私も同じようなのを感じてる……私も、そう思う……この力は夢みたいで嘘みたい……自分の力じゃないって思う」
先祖から譲り受けた魂の器、それが初実の中に取り込まれて、今まで以上の力を発現しているという。
「あのさ初実「魂」を力にするのとは違うんだよね?」
「おじい様がくれたのは魂の器で、力じゃなかった」
「そっか……」
初実自身が分かっている事だが、魂をエネルギー源にしてパワーを上げるのとは話が違う。
核露が、怨霊を取り込んでエネルギーにして出力上げたのと違い、初実の場合は、エンジンを強化した事によって出力を高められるようになったという違いがあるのだが、
「これで魂をエネルギーにしたら……そう考えてるんだよね」
「そう思ってる」
一番の違いは、初実は、核露が行った怨霊を取り込むという手段をしていないという事。




