帰郷225
「自分が死ねば、友達の世界を護れる」というのは事実だったが、改めて考えると怖い事をしたと思う。
我が身を犠牲にする慈愛の心が、自分自身を犠牲にするという覚悟を決めさせたが、それは死ぬという事。
「ねぇ……私も出来るかな……」
初実は、核露の覚悟を初めて聞いた時、自分と違って戦士なんだと理解した。
ドラゴンなのに弱々しくて、ドラゴンなのに引っ込み思案で……勇ましさが足りないと、自分のペットに物足りないと思っていたが、核露は強かった。
負け戦を経験して、不条理を味わって……それでも……
「力を貸してくれるんだね……」
「もちろんだよ。初美達も大切な仲間だから」
武力の無い自分達の下に居てくれる。
核露が望めば、厄介事に巻き込まれたくないと逃げ出す事も出来れば、戦力が揃ってる軍隊の方へと行く事だって出来るのに、それでもここに居てくれる……自分達を護る為に、ここに残ってくれている。
「アフレクションネクロマンサー……」
「初美のお父さんの事だね」
「うぅん……」
「違うの?」
「違うの……」
アフレクションネクロマンサーは名称、多くの英雄達が積み重ねて来た功績に与えられた称号ならば……
「核露の中にいたドラゴン達って、どんなドラゴンだったの?」
「残念だけど面識があった訳じゃないんだ。一つのドラゴンの魂は、自分にくっ付いていたって話で、そのお礼に大きいなドラゴンになれる方法を教えてくれて、もう一つのドラゴンの魂が、僕がドラゴンとして生まれる糧となり、最後に魂を吸い込んで戦わせてくれたんだ」
「立派なドラゴンだったんだね」
「僕も見習わないと」
「そんな事無いよ、核露はもう立派なドラゴンだよ」
「ありがとう」
「……………………」
「どうしたの?」
「少し眠るね……」
「うん、お休み」
初実は小さな声で漏らした……「立派なドラゴンに見合う、アフレクションネクロマンサーになるね……」核露に聞き取れない小さな声であったが、核露に誓うのであった。




