帰郷219
_____
初実が、核露に力を託し、核露を目を覚まさせる為に自分の生命力を分けた後、眠りに付いた。
自分の体の中が、水の一滴も入ってないコップのようにすっからかんになると、周囲に溢れる様々な命の源を感じる。
喉が渇いたかのように身体が熱くて……すっからかんになった体は癒しを求めて、命の源を汲みたいと思ったが、大地の中に眠る命の源は、川の流れのように流れて城型のゴーレムに吸われていく。
城型のゴーレムが、大樹のように成長する為に、大地の底から命の源を吸い上げている。
城型のゴーレムがそれを吸い上げているという事は、それが身体に良くないモノだと理解するのだが、自分のすっからかんで、発熱している体はそれでも「それ」を求めて、体の中に飲み込もうと……
(お嬢さん、少しだけ良いかい?)
(あなたは……)
城型のゴーレムに吸われる流れに乗らずに、初実の体の中に入って来た、命の源があった。
異物が自分の体の中に入って来た……それが自分が望んだ事といえど、汚物が混ざった水を飲むように、嫌悪感で吐き気を覚え、否応無しに身体が拒絶反応を示すはずなのだが、自分の中に入って来た命の源は、まるで自分の体の一部かのようで、素直に声に耳を傾けてしまう。
(ワシは二月 宗司、礼人のおじいちゃんだよ)
(礼人……それって……)
それはお母様から聞いていた父の名前であり、アフレクションネクロマンサーの名前。
(私は……その礼人の娘です……)
(なんと娘!!!?私の血筋だというのは感じたが……娘とはのぅ……)
(でも、何でこんな所で?)
本当に、何でこんな所でという話。
今の今まで、一度も自分の所に魂を感じさせた事が無いというのに、こんな土壇場というのも何だが、こんな急を要する場面で現れた。
(ワシは今まで地中深くの底、魂が堕ちる所で漂っていたんじゃが……ほれっ)
(吸い上げられて来たんですね)
城型のゴーレムが地中から命の源を吸いげるのに巻き込まれて、地上へと昇って来た。
(ワシの命に近い存在を感じて、来てみたら君が居たという訳じゃ。それで礼人が、どうなったか聞かせてくれぬか?娘なら、父の事は知っておるじゃろ)
(それが……その……)
初実は、自分も父の事はあまり知らない事、知っているのは異世界から来たアフレクションネクロマンサーだという事を教える。




