帰郷330
「でも、リディさんがいたら、そんな事は看破しちゃうと思わなかったのかな?そしたら、火内君に悪い印象を与えるんじゃ?」
リナの言う通り、リディがいるのは向こうも分かっている、必ずどこかでリディと出会うのだから、そこで洗脳を解かれると分かっているはず、それなのに火内を洗脳しようとしたのは……
「私が、お前達を説得すると思ったんだろ」
「説得?リディさんが説得するんですか?」
「その可能性もあった、地上での支援を受けられないとなっていたら、私は、お前達に洗脳されているという事情は話して、奴等の支援を受けるべきだと説得していた……私達という個人が集まっただけの組織とも言えないサークルクラブ、目標が無いとなれば、支援を受ける事はデメリットにならない……そこでだ、私が当面に提案するのは三択だ」
「三択……?三つもあるんですか?」
「あぁ……」
リディが全員に顔を見合わせて、これから話す事を良く聞くように目で忠告する。
「まず一つ、このまま新たな目標を見付ける迄、老人達に付き合う。これ自体は問題無いと私が判断する。あの老人達にとって火内は信仰の対象みたいなものだ。それに合わせて、お友達の私達は好待遇で迎えられるという事だ。そんで二つ目は地上組と合流する事だ……これに付いてはちょっとあれだがな、私がリミィのクローンを気に食わねぇってのと、凜を預けているからという話は別にして、地上での戦闘に巻き込まれるデメリットは正直大き過ぎる」
それはリディの言う通りで、このドラゴンに管理されている鳥かごと地上では安全度が違う。
前回の鳥かご奇襲は異例、ここの安全は地上とは比べ物にならない、地上に行ってわざわざ死にに行く理由は無い。
「それで三つ目の選択肢は?」
「お前の目的を達成する事だよ」
「自分の目的?」
鳥かごがある空で老人達の相手をするか、地上に降りてリミィのクローン達と合流する……第三の選択肢は、火内の目的を達成する事。




