帰郷307
戦場を後にして、大型トレーラーに戻ると、シュライトが出迎えてくれる。
「終わったんですね」
「えぇ、リナ達が上手くやってくれたんだと思います」
自分達が対峙していた赤いモノ達は、突如として姿を消した。
大地に還るかのように、ドロドロになって大地に染みて、姿を消してしまった。
「あまり、納得の出来る結果では無かったのですね?」
「勝ったというより、手を引かれた。これ以上はやっても意味が無いという事なんだと思う」
「決着が付いた」という言葉が出なかった、敵を殲滅して勝利をした感覚が味わえない。
味のしないガムを噛み続けているかのような無味無臭なのに、こんな事なら最初から戦おうとしないで欲しかったと思う程に、後味が悪い。
「パワードスーツの整備は私がしておきます。奥で、凜ちゃんが軽食を用意してくれてるから、行ってあげて。みんなは休憩を取って」
「ありがとうございます」
「助かるッス」
戦いが始まってからの数時間は休まずの戦闘、パワードスーツとパワージャケットがあるとはいえ、心身ともに疲弊はする。
三人はシュライトの言葉に甘えて、パワードスーツを脱ぎ捨てると、格納庫を後にして、奥へと行くと、
「みんな無事で良かったです。食事を用意しておきました」
凜が食事を用意して待っていてくれた。
「沢山食べて下さい。必要でしたら、もっと作りますから」
テーブルの上に並べられている多種多様な軽食、三人は席に着くと餡蜜もどきから口にする。
「黒蜜に塩見を混ぜてあります……核露さんが、体調が悪い時は糖分と塩分が、体に良いって作ってくれたんです」
「これは一本取られたな……甘い物が欲しくて、手を伸ばしたつもりだったが、誘導されたって事か」
パンや米に麺類、肉や魚と野菜、それに甘味と様々な物があったのだが、それでも火内直伝料理を手に取っていた。
核露の餡蜜もどきを皮切りにして、疲れた体を癒す為に食事を始める三人。
無事に生きていられる事に感謝しながら食事をしていると、凛がおずおずとして顔色を窺い、
「それで……お疲れの時に申し訳無いのですが……核露さんは来てくれましたか……?」
今回の本題である核露の行方を質問する。




