第27話 : 半減の特性
「じゃあとりあえず、先にフェアルのパーティ申請をしに行ってその後で適当な洞窟に潜って戦闘の流れとかコンビネーションとか確かめていこうね」
「うーい」
「はーいなのだ!」
3人はそう予定を立て、戦闘職の街へとパーティ申請しに行ったのだった。
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「ふー、着いたね!あの森毎回抜けなきゃいけないのしんどいよ...。」
「まぁ俺は今回腹を満腹にして挑んだからな。そこまでだったが.....やっぱコイツ馬鹿だよな。」
「おなか...おなか空いたのだ...っ。あの実を...ちょっとでいいから...っ」
「馬鹿かお前!あそこで俺が落ちてきた実をナイフでどっかに飛ばさなきゃ今頃、虜になって死んでたかもなんだぞ!?」
「...なっ!う、うるさい!恩着せがましく!最初に助けたのは我なんだからこれでチャラなのだ!」
「んだと〜!!黙ってりゃロリっ娘!素直に礼も言えねえのか!」
「ロリっ...誰がロリっ娘なのだ!!?誰が!ムキーなのだ!頭にきたのだ!!魔法使いの恐ろしさ知らないのだ!!」
「ほぉーん?やるか!?こいよロリっ娘!!」
「まだ言うか!?まだ言うか!?!」
ナイルは短刀を手にかけ、フェアルは杖を握り、壮大な喧嘩がはじmーーーーー
「スキル。ツインショット。」
瞬間、レイの銃から放たれた弾は2人のおでこに命中する。
「っ!!いってぇえ!!」
「ーーーっ!痛い!痛いのだ!」
「2人とも!何で仲良く出来ないの!?何なの!?怒るわよ!!」
「「...もう怒ってるよ...」」
「こんな時だけ息ぴったりになってるんじゃないの!」
「ま、まぁレイ、とりあえず着いたからさ名前書きに行こ!」
「そ、そうなのだ。わ、我も反省するのだ」
「全く...調子いいんだから。」
3人は酒場に入りパーティ申請をしにカウンターに行く。2人はまだ痛むおでこを抑えながら
「こちらパーティ申請課です。ご要件は何でしょう?」
受付の女の人が気さくな笑顔で話しかける。
「えーっと...あ、これか、このパーティに1人追加したいんですけど」
ナイルはレイと自分の名前のあるパーティを選んで指さす
「はい。承りました!ではこちらに追加する方のステータスとお名前を入れさせて貰うのでこの魔法陣に手をかざしてください」
従来、パーティ申請をするにはこの魔法陣を通じてステータスや名前を入れ込む事が義務付けられている。この魔法陣は手をかざした人のステータスを見ることができ、それを字として写すことも出来る。その為だけの専用の魔法陣なのだ。
その魔法陣に手をかざしたフェアルの測定が終わる。
「えー.....え。...ま、魔法使い!!?」
受付のお姉さんが驚きに声を上げる。勿論周りの酒を飲んでいた輩も反応する
「おいおいマジかよ魔法使いだってよ!」
「こりゃあ珍しいな...1生に1度会えるか会えねぇかだぞ」
「ん...?ありゃ黒いあんちゃんと魔王のレイちゃんじゃねぇか!」
「じゃあ魔法使いってあれか?あのチビか?」
「ふっふーん!いかにも!我が魔法使いだ...って誰がチビなのだ!誰が!!!」
フェアルが杖を振り回し怒っているところに書き写しが終わったステータス紙が渡される
「おー!フェアルのか!どれ位なんだ?」
ナイルがその紙を受け取り読み上げる
・フェアル・15歳
Lv101
ランクD
職業 : 魔法使い
特性 : 超回復
通り名 : 妖精の残血
「あー、レベルは俺より5下だな。(俺の勝ち)ランクは、論外だな。何もやらなかったのか?(俺の勝ち)特性は.....んぁ?攻撃系じゃないのか?名前からして回復系...あんま似合わねぇな。通り名無駄にカッコイイな。〝ロリ妖精〟に変えよう。」
「うむ。よく分かった。.........とりあえず表でるのだ小僧こらぁあぁあ!!」
「じょぉーーとぉーだ!ロリっ娘こらぁ!!」
「スキル。ツインショット。」
「「へぶぅっ!!!?」」
2人はまたレイに撃たれておでこを抑える。
レイはもう何も無かったかのように話を進める。
「えーっとフェアル?ランクは別にいつでも上げれるとしてこの特性は?もしこれが想像通りの便利な特性なら...」
そこまで言ったレイの言葉をフェアルが遮る。少し表情を重くさせて。
「それは...妖精族の血に受け継がれる特性なのだ...本当ならとても便利で重宝される特性。でも我は...ハーフなのだ.....。」
そこまで言ったフェアルに2人は気付く。
両親が妖精族で初めて成立する特性。
しかし片方は普通の人間。言わずもがな特性の力は半減。下手をすれば常人の特性より使えなくなってしまうかもしれない。
「で、でもまだわからないじゃない?それはどんな特性なの?」
レイは気を使いながらもその特性を聞く。
フェアルは少し気まずそうに口を開く
「本来の超回復は特性を持っている本人の魔力と使われる側の魔力を同調させ、莫大な自己回復を生み出す力なのだ。
故に1人に連続使用は出来ないけどその1回でどんなに原型を留めてなくても心臓さえ動いていればほぼ全回復をするほどの効果なのだ。
...でも...我は...半分の相手に送る魔力はあっても、もう半分の同調を促す魔力がない。この2種は別ものでお互いが妖精族の血であることで初めて1つの魔力として成立するのだ...。」
「その片方の相手に魔力を送る方しかないのがフェアルって事か?もし送るだけならどうなるんだ?それはレイの特性の魔力吸収位、便利じゃないか?」
ナイルの話を聞いたフェアルは静かに首を振る
「妖精族の魔力はそもそも他の種族と違う特殊な魔力なのだ。故に一方的に流すと、流された方は別の魔力を体内が受け入れきれず許容量を超え、暴走する。最悪の場合、穴という穴から血が吹き出すのだ...。そうならない為にもう片方の同調させるための魔力がいるのだ。」
フェアルは酷く悲しい顔をしている。せっかくいい職の魔法使いでも特性が全く使えないおろか、被害を与える特性だとどうしようもない。どう声をかけようか
「.....ぁ......。....っ!」
声が出ない...!!
私は...やっぱり肝心な所で何も出来ない。何も言えない。ここで変な沈黙が続くとフェアルが更に悲しい思いをーーーー
「.....え?...で?」
気まずい沈黙を破る、脳天気な声のトーンの一言。
「だから何なんだ?パーティ抜けて地炎龍討伐やめるのか?」
「そっ、それはないのだ!つ、使えなくても他で頑張るから...それだけは...!」
「じゃあよくね?別に元々なかった回復スキルがそのままない状態で始まるだけだし?てかクルスが...俺の弟が仲間の回復者連れてくるし。」
「で、でも、特性を使えないってのは個人の決め手がない訳で...」
「うっせーな。他でカバーしろよ。てかさ何うぬぼれてんの?特性使えないと、自分のせいで負けるとか思ってるわけ?要らない要らないそんな心配。ぶっちゃけロリっ娘は後ろで見てるだけでいいですけど?」
私はわかる。これはナイルなりの励まし方。素直に言えないナイルの。でもこれをフェアルちゃんが受け取れるか、理解できるか...最悪私が代弁して.....
「...あっはは.....あっはははは!そうなのだ!それもそうなのだ!特性が使えないから別に負ける訳じゃないし、別に我1人で地炎龍とか倒せるのだ!.....てか!我はロリっ娘じゃないのだ!!!」
「ふっはー!ぬかせ!倒すのは俺だし!お前には活躍の場すら与えん!」
「何おぉ?我が1人で倒せるのだ!小僧は引っ込んでいるのだ!」
「倒すのは俺だってんだろ!てか小僧ってお前より年上なんだけど!使い方間違ってっぞロリっ娘!」
「だっ!だれがロリっ娘なのだ!!15歳はもう大人なのだ!!その言い方はおかしいのだ!」
「いつから15で大人になったんだよ早すぎだよロリっ娘!!飴ちゃんでも舐めてろ!」
「なっ...またロリっ娘って.....もーう許さん!剣を抜くのだ!我と白黒決着を付けるのだ!」
「上等だロリっ娘!!!こてんぱんにして、おしゃぶりを口にくわえさせてやる!!」
良かった。いつもの2人に戻ってる。やっぱりナイルは凄いし、立ち直れるフェアルちゃんも凄い。わたしもうかうかしてらんない。頑張らなきゃ!
そうレイは静かに思い、そしておもむろに銃を取り出す
「ま、それとこれとは別。喧嘩しないでって言ったのに。」
詠唱を唱えていたフェアル、エンチャントをしていたナイルの顔が引きつる
「や!ちょ!まって!これは戯れといいますか!」
「そ、そう!これは演技!演技なのだ!!」
アタフタする2人にレイは静かに微笑んで
「そうなのね...。スキル。ツインショット。」
「「えっ!ちょっ!!!??」」
パコンッ!!パコーーンッーー....
今日も2発の銃弾が綺麗におでこにクリーンヒットする。




