第26話 : 妖精の魔法使い
「ん...んん...?」
ナイルは目を覚ます。何故、自分は寝ていたのか。理解出来ない。
「なんだ...!?俺は確か...森で実を...」
ナイルは辺りを見渡す。すると奥で本を閉じ、こちらを見ていた少女と目が合う
「おっ!やっと起きたのだ!」
どこか覚えのある喋り方。ナイルがどこかに思い当たる節がないか考えていると少女が話しかけてくる。
「ふっふーん♪ざっと3~4時間。我の魔法もなかなのだ!どうだ?気持ちよく寝れたのだ?一応治癒魔法もかけておいたのだ!」
自慢げに話しかけてくる少女にナイルは驚く。
透き通るような水色の髪に可愛らしい白熊(?)の顔がデザインされているニット帽を被り
上半身派マフラーとカーディガンで揃え
短めのスカートで細く、白肌の脚を惜しげも無く露にして短めのブーツで全体のバランスを締めていた。
季節感は...少しズレているが服装はとても似合っていた。
しかし驚いた所はそこでは無い。その少女の顔。
幼さはあるがとても整っていて美人だ。性格は明るそうなのにダルそうなジト目がとても良い。
ーーーがその目は特徴的だった。
左目は深紅の瞳、右目は深緑の瞳
.....そう。少女はオッドアイだったのだ。
「まほ、魔法ってどういう事だ!?その目は...もしかして...ってレイ!レイは!!?レイは無事なのか!?」
「えぇい!うるさいのだ!1つずつ質問するのだ!」
少し怒鳴られナイルは落ち着く。そうだ。今は第1に知らなければならない事を聞かなければ。自分の今の状況を聞くより大事なこと。
「お前のその目って.....」
「...えぇっ!?レイとかいう女の話じゃないのだ!!??」
予想を裏切られた少女は驚きのあまり少しよろける
「もう...出会ってすぐ何でそんな意気投合してるの?」
聞きなれた声がドアを開けると同時に聞こえてくる
「レイ!!」
レイは何故か大量の洗濯物を持ってナイルが寝ているベットの方に来る。
「よいしょっと...もー、溜め込みすぎですよ...?大変だったんですから!」
「えへへ〜いやー、ついついほったらかしちゃうのだ!」
少女は照れくさそうに頭をかく
「まぁいいですけどね。ナイルを助けてくれたんだしこれ位じゃ足りないくらいですよ!」
会話を聞いていたナイルは2つ疑問に思っていた。1つは何に対してどう少女に助けてもらったのか、それと何故か少女に対してレイが敬語であること。そんな事を考えていると
「あ!ナイル、お礼言ったの?」
「お礼って...えっ。何に対してだ?」
「えぇ...覚えてないの...!!?」
「まぁ無理もないのだ。あそこの実は記憶を改ざんさせて実のことしか考えさせないようにする作用もある。忘れて当然っちゃ当然なのだ」
「えっと...つまり?」
「つまりね?ナイルは実を誤って食べてしまって、中毒症状が出て、もう止められないってなった時に、魔法でナイル寝かせて動きを止めてくれたの!」
「なっ!なるほど...!って魔法!?.....って事は...」
「そう!気付いたのね!この方こs...」
「ん?待てよ?俺はどうやって実を食ったんだ?自分から食ったのか...?」
ビクンッ!
レイが顔を引き攣らせる。しかしナイルは気付いていない。
「そ、そうよ!く、空腹に耐えれなかったみたい!」
「そうなのかなぁ...」
ナイルはあまり納得してないがレイはこれ以上話を広げまいと少女に話を振る
「ま、まぁそれでね!この方が助けてくれたの!この方はね...?」
「むむ?良いぞ!我が直々に自己紹介をしよう!!」
...自己紹介は基本自分でするものなのだが。
少女は椅子に座り足を組む
「我の名はフェアル。妖精族と人間とのハーフにして魔法職で5属性のうちの1種魔法を使え、今回の地炎龍討伐に参加させてもらうメンバーなのだ!」
「おぉー!!!そりゃすげぇ頼もしいっ!!」
ナイルは喜ぶ。が同時にある疑問も生まれる
「...よ、妖精族...?ハーフ...?妖精族って絶滅したはずじゃ...ってか魔法使いってあんまり自分の得意属性は、おおやけにはしないんじゃなかったっけ?そこら辺大丈夫なのか?」
「えっ!?い、いつ我が得意属性をバラした!?そ、それは小僧のか、勘違いなのだ!!」
ニット帽にマフラーの少女は言う。
「それと妖精族はまだ絶滅はしてないのだ。我は戦争から生き延びた母と人間の1人娘なのだ。」
妖精族(別名:フェアリーラ)
・通常の人間では到底収めきれない魔力を体内に保持し、それを使う事にも元々長けている。
・あまり表には出ない種族だがしっかり自分の領土があり、そこには用意に立ち入れないような結界が貼られてある。
・数百年前、当時対立していた吸血鬼族(別名:バンパーラ)と領土争いになり、結果は惨敗。
妖精族はほとんど血を吸われ、狩られ、絶滅したと言われている。
「この戦争があってから吸血鬼族が一気に危険視されるようになったんだよなぁ。なんせ妖精族は相当な強さだったもんなぁ。」
確か種族のステータスランキングでも上位にいたと思う。ナイルはそういうのをあまり興味無いのでうる覚えだが。
「うむ。我もよくは知らんがその妖精族を力でねじ伏せたのだから、よほど吸血鬼族は強いのだ...。まぁそのことに対して我は直接は関わってないし、恨みはそこまでないけど、やっぱり母親の種族を傷付けられたのだ...。嫌悪はするのだ...。」
「なるほどな...。...え。じゃあ地炎龍討伐って事はその戦争絡みか?それで敵討ちでーー」
「ん?いや?何も関係ないのだ!地炎龍討伐は魔法職の問題なのだ!魔法職は自分の得意属性を限界まで上げた後、更に上の上級魔法が使えるようになるのだ!でも、その上級魔法の取得条件が...」
「地炎龍の討伐...。って事か。」
「のだ!まぁ人によって対象は違うようなのだが、いずれにせよ強敵を倒さなきゃいけないらしi...って何で途中、言ったのだ!?我の1番重要な所なのだ!?」
「いやー、1番言いたそうだったから。」
「鬼!?鬼かこの小僧!!」
「...え?やっぱり2人ともどこかで会ったことあるんじゃないの?ねぇ、ねぇ。」
「無いって!...ってか何かフェアルを見ると少しイジワルしたくなるんだよなぁ...」
「どういう事なのじゃ!?てか歳もそう変わらないのだ!扱いがおかしいのだ!」
「え、歳変わんないのか?何歳なんだ?ちなみに俺は20歳だけど」
「今年で15なのだ!」
「.....ロリっ娘が。」
「なんと!?今なんて言ったのだ!!?」
「ね、ねぇ2人が仲いいのは分かったから、とりあえずこれからどうするか話し合わない?」
レイが冷静に話を持ち出す。
「そうだな。まずは今後どうするか...だよな。うん。とりあえずパーティにロリっ娘の名前を入れてこないとな...。後はコンビネーションが合うように訓練もしないとな」
「うむ。ではそこの街にパーティ申請に.....って誰がロリっ娘なのだ!?我の事なのだ!?」
「お前しかいないだろロリっ娘」
「あったまきたのだ!!せっかく助けたのに恩を仇で返す上にロリ娘呼ばわりとは!!外に出るのだ!!魔法で叩き潰してやるのだ!!」
「よーし!上等だ!鍛え上げた暗殺者のスキル見せてやる!!!」
2人がズカズカと足音を立てて外へ出ようとする。
が、背後からの殺気に気づく。
「2人とも...いい加減にしなさいよ...。私は時間が無いから討伐についての計画を立てようって言っているのに...。ナイル...。何ふざけてるの...?今そう言う時じゃないよね...?フェアルさん...いや、フェアルちゃんもわかりやすい挑発に乗らないで。てか妖精族って思ってたから年上だと思ったら普通に15歳とか...。なんで敬語使ってたの私。」
「あっ、レイ...あの...」
「いやっ、その。すま、すまん!.....ってあれ!?我、あんまり悪くなくないのだ!?よく考えたらおかしいのだ!!」
あたふたしているフェアルにナイルは優しい笑顔で一言。
「死ぬ時は2人一緒な♪」
「出会って数時間の奴に言われたくないセリフなのだ!!!?」
レイが銃を構える
「わっ!ちょ!まって!ごめん!ごめんって!」
「わ、我は、はたして怒られなければならないのだ!?よく分からないのだ!!!?」
「2人とも.....反省しなさいっっ!!!!」
銃から放たれた2発の弾は2人に命中。
ナイルはプロボクサーのパンチの威力の弾ををお腹に。
フェアルはコンパチの威力の弾をおでこに。
「が...ふぁっ...ひさ、久々に喰らった...」
「うーー!痛い!痛いのだ!」
喚く2人の元にレイは行くと優しく満面の笑みで
「さ?2人とも。作戦について話し合おうね?」
「「...は、はい。」」
こうして3人は今後について話し合う事になったのだった。
今回、短くてすいません。
最近多忙なのですが投稿ペースを維持できるよう善処します!




