第13話 : 特性と問題
この世の絶対的な決まりとして
〝職業は1人1つ〟
これは数千年変わらず、もうどうしようも出来ない、完全な〝当たり前〟になっていた。
しかしナイルの特性にかかれてた文字は
〝2種職〟
レイ曰く、2種の職業を使える特性なのかも知れないらしい。
「もしそれが本当なのか.....?」
「わからないわ。でも文面を見たり、ナイルのあの洞窟内でのアレは.....どうみても暗殺職の力では無かった。」
アレとはナイルが魔王因子殲滅コマンドに取り憑かれた時の力である。
「本来エクスカリバーは剣にエンチャントをかけるようにして出来るものではないの。自分魔力や精神力を消費しそれを剣として具現化させて使うものよ。.......でも、ナイルは元の剣にエンチャントをかけるようにしてエクスカリバーを作り出した。見た目、属性はどうであれアレは紛れもない〝宝剣 エクスカリバー〟だった」
「ふむ...そうなのか...。」
ナイルはなるべく勇者関連は調べないでおこうとしてきたせいで、そこらへんの話は初知りだった。
「でも、俺アレ折っちまったぞ?」
「うん.....」
「しかも折れた剣、洞窟に埋まっちまったし...。」
ナイルは唯一の火力武器がなくなったので、洞窟クリア後、この国の全部の装備屋をまわったのだが、暗殺職に適応する剣は見つからなかったのである。
短刀ならまだしも剣で暗殺職に対応させると言うのは正直達人でも無理な領域らしい。
「とてもレアなものを無くした...って感じなのかな」
「かもしれねぇな...。まぁ仕方ねぇ!当分は投げナイフとか短刀で頑張るよ」
ナイルは自分の特性に関しては少し考えるのをやめる。わからないことを無駄に追求してもわからないからである。
と言うか暗殺者は剣を使わないのが当たり前なのだけれども。
「そう言えば.....もう一つ重大な問題があったな...。」
「そうね...これを何とかしない限りお金が足りなくなるわ...。」
ナイルとレイが頭を抱えているその問題はーーー
「おーい!あんちゃーん!」
「お?」
酒場で知り合った剣士のおっちゃんがなにやら紙を持ってこちらに手を振っている
「いい依頼見つけたぞー!!!成功報酬は空き家があるからそこをどうとでもしていいって事らしいぞー!」
「「きた!!!」」
ナイルとレイは顔を見合わせ喜ぶ
そう、その問題とは住む家、部屋である。
この国からクエストに行くのは決定事項なのだがこの国に自分の住処がないので常に宿暮らし。
毎日毎日2人分の宿賃を払うとせっかく貰った報酬の大半が消えてしまうのである。
「依頼主は.....おぉ!!!ここら辺の地主さんじゃないか!!となると空き家って言っても...」
「あぁ、確かそんな悪くなかったはずだよ、整備も行き届いてたし街にも近い」
「やったわ!早速行こう!ナイル!」
「これは俄然やる気が出てきたぞ!初陣には丁度いいモチベだ!!クエスト内容は何だ?」
「あー、それが.....そのあれだよ...。」
おっちゃんが依頼書を渡してくる
「...??何だ?」
ナイルが依頼書を見る。そこにかいてあった内容はーーー
『地炎龍の討伐』
・成功報酬は街付近の空き家
「「.....馬鹿じゃないの?」」
ナイルとレイは思わずツッコム
〝地炎龍〟
・太古から存在する伝説の龍の中の1頭で
飛行能力はないが体を覆う皮膚と竜鱗の圧倒的な硬さ、膨大な魔力量から成される強力な炎魔法を使用してくる龍。
・普段は自分から襲っては来ないが自分が襲われると本気でやってくるタイプである。
・討伐推奨値は
ランクA-以上4~5人
「詰んでんぞおい。」
地炎龍は洞窟のボスの比にならない位強大な力をもつ龍であり、その上、ナイルは火力用の剣がなく、レイは龍に最も不向きな武器の銃である。そう、戦力が大幅に足りないのである。
「これで勝つのは...無理だな...。自殺行為だ...。」
「そうね.....家1軒の為に死にたくはないわね...」
2人が諦めかけていた時
「お?おふたりさん?なんか隅にかいてあるぜ?」
「「ん?」」
・討伐報酬は家の他、国の討伐対象でもあるので国のから約100000000Gが支払われます
「.......い、い、1.....億!!!」
ナイルはは生唾を飲む。これは正直美味しすぎる。死ぬまで戦闘職でやってもギリ手に入るかわからない額だ。
「ナイル.....これ.....美味しい額よね...」
「そうだな.....。」
もう2人はお金の事しか頭にない
「人を少し雇おう。強い人。そしたら勝機はある」
ナイルとレイは依頼書をおっちゃんから受け取る。ナイルはしっかり息を吸い込み一言。
「さぁ!行くぞ!!地炎龍討伐だ!!!」
「おおーーー!」
ナイルは依頼書に自分のサインを書く。
これは横取りされないようにする為の対策である。
こうしてナイルとレイは地炎龍討伐に向けての準備を始めるのだった。




