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勇者一家の長男は暗殺者に職業転換したようで!?  作者: 黒嶺 夜
第1章〜時代改革の始まり〜
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第11話 : 主役のナイル

ーーーーーー青い光が2人を包む。


同時に洞窟ダンジョンが音を立てて崩れ始める。


2人を魔方陣は最寄りの街へと転送する。

ナイルとレイは無事、洞窟ダンジョン攻略を成し遂げたのだった。


「...つか...れたぁ.......!」


「.....やっと...出れたわ...!!」


2人は換金所の近くの酒場の前に転送されていた。


「ほんと...一時期はどうなるかと.....。」


「全くよ.....ってナイル!?あんた血が凄いわよ!?」


「...?ん?あぁ...ホントだ.....あ、なんか気が付いたら急にーーーー」


「ちょちょ!?ナイル!ナイルーーー!!」


生きて帰れたという安心感。やっと終わったという達成感。足りない血。

そしてナイルは

ーーー気を失ったのである。



⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅



(おい、あそこで寝てるのって...!)

(あぁ、なんでも攻略したらしいぞ!)

(マジかよ!!あの難易度A-の!?)

(あぁ!しかも攻略したのはEランクらしい!)


なんだが騒がしい気がする...。俺は.....寝てるのか...。これは夢か.....。あぁー。気を失ったんだっけか、まぁいいや。疲れてるしこのまま寝よう...。


(お!お嬢ちゃんはこの男の連れかい??)

(くー!やっぱ強いやつには可愛い子がつくんだねぇ!!)

(つ、連れって言うか.....こう...共に戦った...仲...間?)

(ひゅぅーーー!あついねぇ!!)

(ち!ちが!違うって言ってるでしょ!)


これは...レイの声か...。夢でも出てくるなんて...やっぱり影響力強いんだなぁ...。


(いやー、しかしお嬢ちゃんが魔王の娘だったなんてねぇ!)

(その、角触ってもいい?)

(だ、ダメにきまってるでしょう!!?セクハラよ!?)

(えぇ!そうなのかい!?)


そうだ思い出した。そう、レイは魔王の娘.......



「.......っておいーーーー!!!?」


「お、目覚めたかい!あんちゃん!ったくあの洞窟ダンジョンクリアしちまうとかアンタどんだけ化け物なんだい!」


ナイルは酒場のソファーで寝ていた。

周りはごつい戦闘職の人達で溢れかえっている。


「あんちゃん!攻略の様子を詳しく教えてくれねぇかい!」


「いや、ちょ、待て。それは後にしてくれ。さっきまでの夢の内容がもし夢じゃあないんなら...」


「あ!!ナイル!起きたのね!よかった...あんなに血を流してたから...!」


「.........................は?」


ナイルに優しく声をかけてくれたのは正真正銘のレイである。しかし着ていたドレスは新調され、セミロング位の長さの美しい赤髪は綺麗に整えられ頭には可愛らしい薔薇の装飾が付いたハット帽を被っていてーーーーーーー



角が一本生えていた。



「ちょいちょい、レイ!?何やってんの!?ツノとか見えちゃってますよ!?」


「?何が?あぁ、このリボン?可愛いでしょ!ツノに合うように付けてくれたの!」


「合うように付けてくれたの♪じゃ!ねぇよ!可愛いけど!似合ってるし可愛いけどさ!?何やってんの!!?」


「かわっ...かわっ、可愛いって!そ、そんなイキナリ言われると...心の.....っ!!」


レイが何か悶えているがそれどころではない。

そう。ここは戦闘職の国。魔王のせいで現れた魔物を倒しそして最後は魔王をうつ為に出来た職を最も生み出す国。そんな国に魔王の娘がいる。これはどう考えても有り得ない事態である。


「おま、おま、さっきの話の内容が夢じゃなかったら、、言ったのか!?魔王の娘だって!!」


「.....夢?よく分かんないけど、ちゃんと説明して言ったら暖かく迎えてくれた!」


「..........( ゜д゜).......。」


迂闊すぎる。迂闊にも程がある。普通に明かして説明して、その上で殺されても誰も文句は言わないんだぞ!?想像以上にビックリな展開である。


「まぁ、あんちゃん落ち着きや?」


中年位のごつい鎧を背負った人が話し掛けてくる。


「別にワシらはあのお嬢ちゃんをどうこうしようとは思っとらんよ」


「.....どういう事...だ?」


「ワシらの最終目的は〝魔王を倒す事〟じゃ。あれがいる限り魔物や魔王幹部はいなくならないからのぉ。」


「で、でも、魔王の娘って.....時期魔王だから.....」


「ってワシらも思っておったんじゃがな?あの子は珍しいことに人間との平和を望んでいる。魔王になったあかつきには魔物達に人間を襲わせるのをやめるよう命令するようじゃ。」


「ま、ワシらはその賭けに乗ったまでじゃよ」


おじさんは屈託のない顔で笑う


.......自分が情けない。〝魔王因子殲滅〟の命令コマンドのDNAが流れている自分が情けない。


魔王関連の言葉は信じず、問答無用で倒そうとするこの血が憎い。


そしてあろうことかそのコマンドに少し支配された自分がどうしようもなく情けなく。そして、惨めだ。


「はっはっは!10年ちょっとを生きたくらいの小僧にはまだ分からんでイイことよ!!変に気負うな!前を向け!!」


バンっ。力強く背中を叩かれる。


「さぁ、この酒場の主役は今はお前だ!辛気臭い顔してないでみんなに自慢してこい!」


「.....おっさん.....ありがとう!!!」


ナイルは負の気持ちを自分で切り捨てる。そうだ。俺はこの血を呪うために勇者にならなかったんだ。


「ナイル!大丈夫?皆待ってるよ!行こ!」


レイが手を差し伸べてくる


「...おう!!タップリ自慢してやろうぜ!」


ナイルはその手を握り、走り出すのだった。


ーーその日の酒場は洞窟ダンジョン攻略のネタで盛り上がり深夜まで明かりと笑い声は絶えなかったのであるーー。



⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅



・ナイル・20歳

Lv.89

職業 : 暗殺職=暗殺者

属性 : 闇

ランク〝A〟


⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅



20歳という若さで、初クエストで、最終進化の魔猿を倒しランクがAになったナイルと言う存在が話として各国に流れていくのがそう遅くないのは.....必然的なのである。

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