第10話 : 魔物の思惑
場所は変わり、ある城の1室にて。 2人が真っ暗な液晶を見つめ、話していた。
「どうなんです?お嬢様の様子は。」
「思ったよりまだ元気そうだった。俺が寄生虫で見れた所まではな」
「どう言うことです?寄生虫の不具合で?」
「いや。ピエロ野郎がやられた時に同時に壊されたんだ」
「はっはは!アイツ殺されたんですか...くくっ...つくづく可哀想なヤツですねぇ」
〝寄生虫〟
それはスキル1種で直径5mm程の魔術で動いている虫である。
しかしその虫はうまく宿主に寄生出来ると、その虫の主人の言いなり。操り人形になってしまう。寄生虫の目は魔術を通して主人に通す事が可能であり、それを液晶に映し出すことも可能である。
「しっかし、あのピエロ野郎は面白かった...!まさか寄生虫との適合率96%...!あんなに容易く操られる魔王幹部なんか見たことありませんよ...!他の幹部をピエロ野郎で襲わせた時も同調率はほぼ完璧...完全にバール様の言いなりでしたからねぇ!」
「あぁ。だがそれは裏を返せば俺の実力でもある。俺はあの洞窟内であの小僧に殺されたのだ。俺が目で追えない速度で距離を詰められ斬られた。と同じ事だ。」
「.....まぁ残りの同調できなかった4%は意外と大きいですし、何より肉体が違うから仕方ないですよ!」
「それより〝俺が見た所までは〟ってどういう事です?ピエロ野郎が死んだんじゃ、お嬢様には危険はないのでは?」
「あの小僧が何やら変になっていてな...。見た目はどう見ても魔物サイドだったのだが言っている言葉は〝魔王因子の殲滅〟だった。」
「おぉ〜...それは怖い怖い。あの小僧さんは暗殺職でしたのに...随分と似合わない事を言うんですねぇ.........ん?もしかしてお嬢様は自分が魔王の娘だと明かしたので?」
「あのお喋りピエロが自動考察モードにしてる時に勝手に喋ったんだよ。」
「くっは!!やはりアイツは愚かですねぇ!ま、と言うことはその妙な少年のやる事は一つでしょうな?魔王因子の殲滅という目的に2番目に近い奴が目の前にいる。これはもう見なくても分かるでしょう!!あー、残念ですお嬢様。未来の魔王様なのに...ねぇ!!」
「ふっ...、それは泥棒の始まり...と言うんだぞ。.....まぁ、自らが手を下さずとも...か。すこし味気ないが結果には変わらんか。俺達は別の作戦に移るぞ。」
「ははっ!付いていきますぜ〝魔王幹部No.8裏死糸のバール様〟!!」
魔王幹部同士での裏切り、利用。
魔王への裏切り。
魔物サイドもまた、悪しき事態はゆっくりと、そして隠密に進んでいくのだった。




