表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は勇者よりも種馬を求めていた  作者: たてみん
1.プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/5

2.自己申告は大事

 翌朝。

 俺はベッドの上で目を覚ました。

 部屋の中は寝る前と同じ。つまり元の世界に戻ってたりはしない。

 あとサチカさんの姿は無く俺一人。


(もしかして寝過ごしたか?)


 ぼぉっとしてても仕方ないのでベッドから起きて身なりを整えていく。

 すると扉が開きサチカさんが食事の乗った盆を持って入ってきた。


「おはようございます。ご気分はいかがですか?」

「おはようございます。実に健康だと思います」


 元々60過ぎて身体にガタが来始めていたので若返った今は凄く身体が軽く感じる。


「朝食をお持ちしましたが食べられない物とかはあったでしょうか」

「元の世界ではありませんでしたが、こちらのものは、まぁ食べてみて考えましょう」


 答えながら朝食の内容を確認すると、まさかの和食だった。

 建物の造りも日本家屋に近い木造だしもしかしたら気候や風土も日本に近いのかもしれない。

 白米にキノコの味噌汁。焼き魚に目玉焼きにサラダ。箸まで付いている。


「いただきます」

「はい、召し上がれ」


 箸を手に取ってまずは白米をひとくち。


「っ、美味い」


 まるで無農薬栽培のコシヒカリの新米かと疑いたくなる美味しさだ。

 日本のお米は長い年月をかけて品種改良が行われて来た筈で原種の稲とは味も見た目も大きく異なっていると聞いたことがある。

 この世界では元からこの品質で稲が育っていたということなのか?

 なんて素晴らしい世界なんだ。

 と感動していて気付くのが遅れた。


「サチカさんは食べないのですか?」

「私は作りながら味見のついでに頂きましたので」

「そうでしたか。では良かったら次からは一緒に食べましょう」


 実はこれだけ良いものを食べているのは自分(男性)だけという可能性もあるけど、今はまだ突っ込んで聞くことはしない。

 まだ何がタブーに該当するのか分かっていないので慎重に行動していこう。


「食べながらで構いませんのでこの後の予定の説明をさせてください」

「はい」

「まず今日は食事を終えたらここを出て馬車で移動します」

「行き先を聞いても?」

「今後のコースケ様の活動拠点となるお屋敷です」

「屋敷……」


 今居るこの場所も俺を含め30人以上の男性を収容できたことから分かる通りかなりの豪邸だ。

 外に出て確認した訳じゃないけど、敷地面積は某大学のキャンパスくらいあるんじゃないだろうか。

 もしくは中国の後宮みたいな感じか。

 で、そことはまた別に男性1人ずつに与えられる屋敷があると。

 金掛かってるなぁ。

 まぁある意味国家プロジェクトみたいなものだから当然か。


「その屋敷で俺は何をするんですか?」

「もちろん子作りです」


 きっぱりと、特に照れた様子もなく返された。

 まぁこの世界の人にとっては子作りは子孫繁栄のために必要な行為であって、恥じ入る要素は何もないのだろう。

 話してる感じ、甘酸っぱい青春や恋愛、結婚という概念すらないのかもしれない。

 そしてサチカさんはそのまま話を続ける。


「昨夜の聞き取りを元に、といってもコースケ様の場合はあれですが、条件に合った女性を順次送り届けます。

 身の回りの世話をする者も別途用意していますのでコースケ様は子作りに専念してください」

「分かりました。

 ところでノルマみたいなものはあるのですか?」

「ノルマ、というのは?」


 ちょいちょい単語が伝わらないことがあるな。

 昨日の話の中でも『ハーレム』って言葉は通じてなかった感じだし。

 そもそも日本語が通じてる時点で変なんだけど。


「例えば1月に何人の相手と子作りをしないといけない、もしくは何人妊娠させないといけないか等の目標値です」

「それは、特に聞いてはいませんが、多いに越したことはないのは間違いないです」


 そうか。ひとまず『毎月100人必達で!』みたいな無理難題を押し付けられなくて良かった。

 そしてちゃんと聞いておかないと『え、それくらい余裕だと思ってました』とか言われたら目も当てられない。


「では急ぎではありませんが確認は取っておいてください。

 そして出来るなら当面の間、1日に行う子作りは1人までにさせてください」

「えっ1人だけですか!?」


 この驚き様。やっぱり1回の子作りが1時間かかるなら1日24時間で24人行けますよねとか言われかねなかったのか?

 いやもちろんそれは極端な話だろうけど。

 でもこの世界では男性について理解が及んでいない部分が多いことは覚悟しておかねば。


「えっと、男というのは無限に子種が沸きだす魔法の壺ではありません。

 子種は適度な食事と運動と休息を摂ることで少しずつ生成していく必要があります。

 人によってその生成速度は違いますので1日に何人も相手出来る人も居ますが、私はそうではない可能性があります。

 特に今はこの世界に呼ばれたばかりで体調も本調子ではありません。

 なのでしばらくの間は様子を見させてください」

「なるほど、承知いたしました」


 サチカさんは俺の言う事に素直に頷いてくれる。

 このままずっとこちらの要望が通れば良いのだけどどうなることか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ