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異世界は勇者よりも種馬を求めていた  作者: たてみん
2.勇者事始め

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11/12

11.ロリコン疑惑再び

 この屋敷に来てから3度目の朝がやってきた。

 それは良いんだけど、何故か身体が重い。

 昨日頑張り過ぎて筋肉痛にでもなったか?

 ともかく頑張って起きようと上体を起こしたところ、何かがゴロンと転がった。


「きゃうっ」

「その声は、ミナミさん?」


 声のした方を見れば何とも情けない姿でひっくり返ってるミナミさんが居た。

 どうやらさっき重いと感じてたのは俺の上にミナミさんが乗っかっていたかららしい。

 夜這いにしては時間帯がおかしいし、武器の一つも持っていないので暗殺と言う訳でもなさそうだ。

 じゃあ何だろうかとその大股に開かれた姿を眺めていたらガバっとミナミさんが起き上がった。


「いったぁ。急に起き上がらないでよ」

「それを言うなら寝ている人の上に登らないで欲しいんだが。

 そもそも朝から何をやってたんだ?」

「えっとほら、今日は順番的に私の日でしょ。

 だからちゃっちゃと済ませてしまおうと思ったの」


 なるほど、夜這いならぬ朝這いだったらしい。

 それにしては俺は何かされた形跡はなく、そもそも彼女は掛布団の上に乗っていた。

 それでどうやってするつもりだったのか。あ~そうか。


「意気込んで来てみたものの何をどうすれば良いのか分からなくて悩んでいたのか」

「ぐ、そうよ。悪い?」

「気合十分なのは悪くは無い。が、そうだな。

 今から慌ててしても意味は無いだろう」

「……そうね」

「なら朝食を食べた後で、どうしてこんな行動を取ったのか教えて欲しい。

 子作りの儀はその後だ」


 怪訝な顔で見つめてくるミナミさんの頭にポンと手を置いて撫でてから部屋を出れば、慌てた様子でミナミさんも後を付いてきた。

 朝食の席では昨日と同様にフタさんの状態を確認してみたものの変化は無し。

 やり方あってるんだよなとちょっと不安になるけど、まだまだ慌てる段階ではないだろうと自分に言い聞かせた。

 早く成果が出て欲しいものである。

 そして朝食を終えた後はミナミさんを連れて自室へと戻ってきた。

 向かい合う形で座布団の上に胡坐で座りつつ改めて今朝の事を聞くことにした。


「それで。朝は何がしたかったんだ?」

「あれはその、子作りの儀の主導権を取りたかったのです。

 あわよくばコースケ様が寝ている内に終わらせたいと考えていました」


 落ち着いたからか口調が丁寧になったな。どっちでも良かったんだけど。

 で、どういうことだ?

 この様子だと子作りそのものを嫌がっている訳では無さそうだ。

 かと言って俺の事をゴミムシのように嫌っている風でもない。

 彼女の視線からは侮蔑の類は感じないし。

 どちらかというと恐怖?

 結論は出なかったのでもう少し深堀りしてみることにした。すると。


「コースケ様は所謂ロリコンという種族なのですよね?」

「違うけど。あとロリコンは種族ではないから」

「え、しかし、幼い容姿の私が子作り相手に選ばれたという事はコースケ様がそう望まれたからではないのですか?」

「いやいや、それだと他の3人はどうなるんだ。全然幼い容姿では無いと思うんだが」

「……あれ、そう、ですね」


 いや気付くのが遅い。

 きっと自分の事でいっぱいいっぱいになってたんだろう。


「それで。仮にロリコンだったとして、それが今朝の行動とどう繋がるんだ?」

「はい。私の住んでいた町ではロリコン勇者に呼ばれた女性の半数以上が心身に深い傷を負って帰ってくると言われています。

 その、ロリコンは女性の扱いが乱暴な方が多いそうで」

「……」


 それはどうなんだろう。

 ロリコン=女性の扱いが雑、というのはあまり聞いたことが無い。

 もちろん体格差がありすぎてって事はあるかもしれないが、最初から分かっていることなので殊更丁寧に扱ってくれる気もするんだが。

 世の中には『Yesロリータ、Noタッチ』などという標語もあるくらいだし。

 だけどまぁ事情はようやく分かってきた。


「話は分かった。

 それで提案なんだが、子作りの儀のやり方は幾つかあるんだが、その中でもミナミさんが主に動く方法でやるってのはどうだ。俺はあくまで補助と手伝いだけするって感じで」

「そんな方法がありますの?」

「あぁ。ただし初心者なミナミさんがやる以上、俺がやるよりも痛みが強くなる可能性もある。

 それでもやってみるか?」

「え、痛いんですか!?」

「まぁ初回はどうしてもな。ヒトエさんやフタさんも多少痛がっていたし避けては通れない部分だ。

 怪我をする訳では無いし間違っても死ぬことは無いから安心してくれ」

「分かりましたわ」


 そこから手取り足取り教えて行けば、ミナミさんは羞恥の悲鳴を上げつつも何とか最後までやり遂げた。

 現在はもう動けないと言わんばかりに布団の上で大の字になって倒れている。


「え、これ、みんなやってるの?」

「やり方は幾つかあるし、今回はミナミさん主体でやったからそっちの負担が大きかったんだ。

 逆にミナミさんはほとんど動かずに済ませる方法もある」

「あーじゃあ次はそれでお願い」


 主導権を握りたいという話はどこに行ったのか。

 まぁさっきも動くのこそミナミさんメインだったけど主導権が握れてたかと言うとそうでもない。

 流石に未経験の少女に手玉に取られる程ボケてはいないという話だ。

 ただ気が緩み過ぎなのは良くないので少し引き締めておくか。


「ちなみに次っていつだ?

 ミナミさんのお陰でこっちはまだまだ元気だから今からでも良いんだけど」

「ひっ、私を殺す気!?」

「大げさだな」


 ニヤリと笑って見せる俺に顔を青くするミナミさん。

 無理をさせる理由は何もないのでただの冗談だけど。

 

「い、今すぐは無理だからその、午後にしてください」

「ふむ。分かった」


 冗談で済ませるつもりだったんだけど、本人がやる気なら応えてあげましょう。

 その結果。


「ちょっと! 朝のと全然違うじゃない!」


 朝とは別の意味の悲鳴を上げ続けたミナミさんから抗議されてしまったけど俺の所為じゃないと思う。



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