9・好機
クソっ!どこに行っちまったんだっ!あの時にすぐ後を追いかけていれば...!
俺はただひたすら走っていた、だが俺が追いかけ始めた頃には既に巨漢の姿はなかったため、自分の勘を頼りに合ってるかも分からない道を進むしかなかった。
...! あれは...ライトか!?
進んだ道の先にはライトによく似た姿が見えていた。更に走って近づいて見ると案の定、それはライトだった。
克美「ライトっ!大丈夫か!?」
頼斗「克美君...!」
克美「怪我はないか?あのバケモンは?」
頼斗「怪我はしてないよ、アイツは何故か急に目の前で倒れたんだ。だからもう多分今は追ってこないと思う...」
克美「そうか、とりあえず無事でよかった。」
頼斗「クラ...」
克美「おっ!と...本当に大丈夫か?」
頼斗は今にも倒れそうだった。
頼斗「ごめん、少し疲れてるんだと思う...」
プルルルル...
その時、克美のスマホから着信が来た。秀音からだった。
秀音(電話)「もしもし!大丈夫か!?」
克美「もしもし、どうした?こっちは今ライトと合流できたとこだぜ。」
秀音(電話)「よかった!今どこだ!」
克美「え〜と...ここ何処なんだろう...周りに畑しかない」
秀音(電話)「畑...わかった!すぐ向かう!」
そういって電話は切れた
克美「とりあえず秀音達が来るまで、少しここで休んでおこうか。」
頼斗「そうだね...ありがとう。」
それから数分後、秀音達が来た
秀音「見つかってよかった!二人とも無事か!」
克美「俺は大丈夫、ただライトが酷く疲れてる。早めに帰してあげよう」
吉和「すごい汗だな...ライト、動けそうか?」
頼斗「うん...だいぶ休めたから、今は何とか...」フラ...
頼斗は立ち上がり再び歩き始めようとしていたが、身体はフラついており今にも倒れそうだった。
吉和「ライト、ちょっと待ってくれ。今から俺の親呼ぶから、今日はもう送ってってもらおう。」
頼斗「え、でもそれだと吉和君の親御さんに迷惑を...」
秀音「いやライト、ここはお言葉に甘えて乗せてもらおう。」
克美「俺も賛成、今は無理するべきではないと思う。」
頼斗はしばらく悩んでいたが、遂に重たそうな口を開いた。
頼斗「ありがとう、じゃあお願いしても良いかな?」
吉和「よし、任せとけ。」
吉和はすぐさまスマホを取り出し、電話をかけた。
それから20分ほど経った頃、吉和の母が車で迎えに来てくれた。
俺らは吉和の母に礼を伝えてから車に乗った。一体何があったのか、車の中で頼斗は秀音達にかくかくしかじか話した後、皆それぞれ家に送ってもらったのであった。
一方その頃...
志田「それで、今回君もしくじったと...」
禾野は志田にこっぴどく怒られていた。
晃士「あ〜れ〜??あんだけデカい口叩いてた割には失敗したんだぁ〜????」
仁治「図体デカいクセに脳みそは小さいんだなぁ〜」
禾野「クッ...」
禾野はとても悔しそうにしている
効果はバツグンだ
志田「いやいや君たちも1度失敗してるんだから、人にとやかく言える立場ではないぞ??」
晃士&仁治「うっ...」
効果はバツグンだ
志田「それはともかく、亥作君。君も収穫は無かったようだね?一体何をしていたんだい?」
拓真「あー...すみません。少し体調が優れなくてコンビニのトイレに篭りっきりでした。」
拓真はいつもの調子で喋っていた、だがそれに対して志田は。
志田「トイレに篭っていた...?タイミングよく禾野君を麻酔で眠らせ、私が手配したバンに乗せておきながらか?」
拓真「!」
志田「確かにドライブレコーダーは付けていない、だがあのバンには360°監視が出来るようちょっとした細工がされているのだよ。」
拓真は黙り込んだままだった
志田「ふむ...黙り込むか...。それでは次の質問に答えてもらおうか。」
拓真は黙り込んだまま志田の顔を見つめ続けた
志田「禾野君はあの場で何を喋っていたんだい?」
禾野「!」
禾野の動悸が激しくなる
拓真「彼は...」
禾野は冷や汗をダラダラ流している
志田「彼はなんだい?」
拓真「彼はずっと自画自賛してましたよー。俺は最強なんだー。とか言って」
志田「それは本当なんだろうね?」
拓真「ええ、勿論。今僕があなたに嘘をつくメリットなんてありませんから。」
志田は疑いの目で拓真を睨むが、それに対して拓真は緊張感の無い目で返す。
志田「まあいいだろう、とりあえず今回君たちが失敗したことには変わりない。しばらくは謹慎とさせていただく。」
禾野「はい...」
拓真「はぁい」
志田「全く...これではまるで駄目ではないか...やはり子供には...」
一織「総理、私なら成功させてみせます。」
志田が何かを言いかけると、遮るように主張し始めた。
志田「河野君...気持ちはありがたいが、これからはもう大人に...」
紀文「では私も同行するというのはどうでしょうか。」
また遮られた
志田「もうこの流れには既に飽きてきているんだが...だがそこまで言うのであれば最後の好機をやるとしよう。」
一織&紀文「有難う御座います」
志田「はい、それでは私はこれからまた用事があるので失礼させてもらう。君達はよく反省するように。それでは解散。」
皆、部屋に戻り始めた。だがその道中、禾野は拓真に話しかけた。
禾野「な、なぁ」
拓真「ん、どうしたんだい」
禾野「何故さっき俺がやらかしそうになった事を黙っててくれたんだ?」
拓真「まぁ、あのまま僕が馬鹿正直に話していたら。君は今頃死んでいただろうからね。」
禾野「だからって、わざわざリスクを背負ってまで嘘をつく必要なんてなかっただろ。」
拓真「とはいえ腐っても仲間だからね。僕はそんな汚い手を使って仲間を蹴落とそうなんて思えなかったってだけだよ。」
禾野「...変な奴だな。そんな甘い考えじゃ、いつか裏切られてもおかしくないぞ。」
拓真「その時はその時だよ。僕はあの人にそう教わったからそうするだけさ。」
禾野「フン...せいぜい生き残れよ。」
拓真「ご心配どうもー」
そして皆、自分の部屋に戻った。
その頃
「そうr...」アイツは一体なんて言おうとしてたんだろう...
晩飯もろくに食えなかったくらいには疲れてるはずなのに、そのワードが気になって中々寝付く事が出来なかった。
でも、わざわざこんな一般人に喋ろうとするって事はそこそこ...それか相当世間に知れ渡っているような人間なのではないだろうか。
芸能人?それとも知人...?政治関係の人の可能性も捨て切れない。考えれば考える程、疑心暗鬼になってしまう。
...もうこれ以上考えるのはよそう。恐らく無駄な考察に過ぎない、もう寝よう。
「ありがとうございました〜!」
バイトの先輩A「克美君、今日何時までだっけ?」
克美「え、確か21時半までです。」
バイトの先輩A「申し訳ないんだけど、22時までとかいけたりしないかな?」
克美「えぇ、僕まだ高校2年生っすよ?ちょっとマズくないっすか?」
バイトの先輩A「大丈夫!ちゃんと給料には含めとくから!」
克美「あ、はい。(話通じねーな...)」
バイトの先輩A「じゃ、よろしくね〜」
そう言って先輩は何処かへと消えてしまった。恐らく仕事は俺に任せて何処かでサボる気だろう。こんな所、今年には辞めてやる。
俺が働いているこの場所は、誰もが知るあの有名バーガーチェーン店「ラクロナルド」だ。ここで働き始めてから約1年程経つが、中々に辛い職場である。
火傷は日常茶飯事、ゴミ箱に手を突っ込むわ、先ほどのように先輩から半ばパワハラのようなものを受けるわで良い所がまるでない。
そんなゴミみたいな職場で俺は今日も働いていた。
補充作業を終え、時間も時間なため客も少なく、暇だったので少しぼーっとしていると
ブロロロ...
車のエンジン音が聞こえてきた。ドライブスルーだと察した俺はカウンター用の小窓に近寄り、インカムに手を添え、タッチパネルの前に立ち注文を受ける準備をした。
すると案の定ドライブスルーの通知が鳴ったため、そのまま注文を受け始めた。
克美「いらっしゃいませ〜、ご注文がお決まりでしたらお伺い致しまーす。」
少しの沈黙の後、インカム越しで淡々と注文がされていった。女性の声だった。
客「は〜い、それではえっと〜。ダブルホットチキンバーガーセットが1つ、サイドがナゲットでソースはマスタード、ドリンクはシェイクのストロベリー、Mサイズでお願いします。」
克美「かしこまりました〜、それではお客様のお会計890円になります。お車前へどうぞ〜。」
そうして案内を終えた後、すぐに小窓を開けた。少し冷たい風が心地良い。
少し待つと、車が小窓の前までやってきた。
克美「いらっしゃいませ〜、お会計の方が890円になりまーす。」
客「は〜い!」
克美「ポイントカードはお持ちでしょうか〜」
客「はい、Pポイント持ってます!」
そう言って、鞄の中を少し漁るとPポイントカードを差し出してきた。
克美「はい、読み取らさせていただきます。」ピッ
読み取った後タッチパネルを操作し、カードにポイントを付けた。
克美「お会計はどうされますか?」
客「クレジットカードでお願いします!」
克美「はい、ではこちらへお願いします。」
デバイスをなるべくお客さんの手元に近づけ、決済を終わらせた。
克美「それでは少々お待ちください。」
そう伝えて、俺は急いで商品を作り始めた。どうせあの先輩は当分戻ってこないと知っていたからだ。
それから数分後、俺は全て作り終え、すぐに商品を包装しお客さんに渡した。
克美「お待たせ致しました〜」
客「ありがとうございま〜す!」
よく見ると大変綺麗な人だった。正直射抜かれた。
少し呆然としていると、お客様の方から話しかけられた。
客「あの...今お時間ありますか?」
克美「え!まぁ、はい!」
客「あの...良かったら...連絡先交換しませんか!」
克美「ハイ!よろこんで!」
勢いに任せて承諾してしまったが、本当にこれで良いのだろうか。
いや今はそんなのどうだっていい、今はこの最高の瞬間に集中するべきだ。
俺の全理性がそう言っている。そう今の俺はまさに冷静なのだ、だからこそこの判断を即座に下す事ができるのだ。
そして俺は即座にポケットからスマホを取り出し、LOINを開いた。
客「これ、私のLOINです!」
克美「ハイ!ヨミトリマス!」
即相手のQRコードを読み取り、連絡先を手に入れた。
客「それではまた後で連絡しますね!」
克美「ふぁい!」
そうしてあの綺麗な人は車を発進させ、何処かへと消えていってしまった。
とても綺麗な人だった。まるで夢みたいだ。ここで働いてて良かった。
それから数分後、時間が来た。
バイトの先輩A「うぃ〜す、どうもありがと〜。もう帰っていいよ〜お疲れ〜」
克美「お疲れ様っす」
それから俺はすぐさまタッチパネルで退勤をし、スタッフルームへと戻った。
ロッカーで着替えを済ませ、来週のシフトを確認してから店を出た。
よし帰ろう、俺はルンルン気分で歩き店を後にした。
どうも皆さん「木羅翠」です!今回は早めの更新になります。そろそろ話を大きく進めて行きたいと思っていますので頑張ろうと思います!それでは今回もキャラ紹介になります!
今回紹介するのはもう一人の主人公「克美紫遠」になります。
まず髪型が「ミディアム七三分け」です。髪色は黒です。
身長は171cm、体重は62.4kg
性格は少しお調子者な所がありますが、実は誰よりも情に熱かったりします。顔はちょっとイケメンです。
恋愛経験はほとんど無し、運動神経はあまり良くないです。
1話でも書いてある通り、幼い頃事故で片目を負傷しており殆ど見えておりません。
以上で克美でした!次回もお楽しみに!




