83話目
おい、どうしてこうなったんだよ!
ゲームしてくれよ!お願いだから!
結局大樹君はそのことを確認したかっただけらしい。
その事でモヤモヤしてたからスッキリしたって、清々しい顔で言われた。
香里ちゃんはその間なにも言わずに考え込んでいるだけだったんだけど、急になにか思い付いたかのように手を叩くと大樹君に耳打ちしていた。大樹君は顔を赤くしながら聞いていたけど、あたしはなにを見せられているんだろうね。本当にこの二人なんで付き合ってないの?
両方から恋愛相談受けてるから両想いなのを知ってるだけに、さっさと付き合えばいいのにって気持ちが強いね。
え? だったらくっつけろって? どっちも奥手すぎるから無理だったね。大体あたしに恋愛相談をする意味が分からないんだけど?
閑話休題。
「ねえ、芽里ちゃん。アドレス交換しない?」
「俺もな」
「えっ……」
あどれす? あどれすって……アドレス!?
その言葉を理解した瞬間顔が綻ぶ。ヤバい、あたし今凄くだらしない顔してそうなんだけど。
あ、とりあえず返事しないと。
「い、いいの?」
「仲いいし、同じゲームやってるなら余計にそっちの方がいいだろって香里がな」
「今までも聞きたかったんだけど、なんか聞きにくくてねー」
「えぇ!? 大歓迎だったのに! こっちから頼みたいくらいなんだよ!?」
「そ、そこまでか?」
大樹君が少し困惑したような声を出した。香里ちゃんも声には出してないけど、表情が語ってた。
でも本当にそこまでのことなんだよ!
「彩以外で初めてのアドレスだよ! やったー!」
「「え……?」」
「あれ? どうしたの? 二人とも」
あたしが喜んでいると驚愕の表情を浮かべて固まる二人。
え? あたしなんかしちゃったかな? それとも本気じゃなかったって言われるのかな……?
ちょっと不安になって二人を見つめると、再起動したみたい。ただ二人してあたしに憐れみの視線を向けてきた。なんで?
大樹君はあたしの肩に手を置いて無言で頷き、香里ちゃんは少し涙を流して慈愛の笑み?を浮かべていた。
「アドレス交換しよう、な?」
「わたしたちは芽里ちゃんの味方だから、ね?」
「二人ともなんでそんな可哀想な子を見る目で見てるのー!?」
「大丈夫だ、お前ならしっかり友だちできるから、な?」
「うん、芽里ちゃんが本当は優しいって知ってるから、ね?」
「うわーん、彩ー!二人がいじめてくるよー!」
そう言ってあたしは隣の席にいた彩に泣きついた。彩はそんなあたしの頭を撫でながら、あやすように声を出した。
「はいはい、いじめてないから安心しなさい。……二人もあんまりやり過ぎないでやって。この子こういうところがあるから」
「お、おう」
「わ、分かったわ」
彩の説得で二人とも納得したらしい。その間あたしは彩に抱きついたままだったけどね。
「芽里もいい加減泣き止むの。ちゃんと友だち作りなさいよ?」
「彩が一番だもん!」
「私は彼女だから含んじゃダメでしょ」
「えー、彼女兼友だちじゃダメ?」
「うっ……分かったけど友だちは作らなきゃダメだよ?」
「はーい」
友だち……友だちかぁ。彩以外だと本当にこの二人と世古太君しかいないからねー。もっと友だち増やさなきゃダメなのかな? でも友だちってどうやったら増えるんだろ?
あたしが友だちの増やし方を考えていると、大樹君と香里ちゃんが確認するように声を出した。
「なあ、今彼女って言ってなかったか?」
「言ったわよ?」
「つまり二人はそう言う関係……?」
「え? 夏休みから付き合い始めたけど?」
ワイワイガヤガヤとうるさかった教室が静寂に包まれた。というかみんな早く帰りなよ。先生にワークを提出しに行った世古太君以外全員残ってるって、放課後としてどうなの?
「二人とも女の子だよな?」
「今の時代、同性でも結婚自体はできるのよ?」
「あぁ、もうなんでもいいや。とりあえず世古太が浮かばれねえってことだけは分かったからな」
「ん? なんでそこで世古太君?」
「世古太君いなくてよかったね……」
「それな」
なんで世古太君の名前が出てきたんだろう? うーん、あ! 世古太君と言えば放課後残るように言われてるって彩に言わなきゃ!
「ねえ、彩」
「なに?」
「あたし放課後世古太君に残るように言われたから、先に帰ってていいよ?」
「「あっ……」」
「うん、分かったよ。とりあえずバカップル二人も帰るよ。ほら、他のみんなも」
「「だから付き合ってない!」」
「「へーい」」
「みんなじゃーねー!」
香里「世古太君終わったわね」
大樹「焚き付けたの俺らじゃねーか。世古太に謝らねーと」
香里「いや、建前用意させてるしそのままになるかもしれないわよ?ヘタレだし」
大樹「あー、世古太。安らかに眠れ。もしくは安らかにヘタレ」
香里「大樹、ちょっと黙ってくれない?」
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