84話目
世古太君ーー!?
放課後、あたしの前でもじもじとしている男の娘……もとい世古太君は、なんというか仕草が完全に女の子だった。
この子男の子だよね? 実は女の子って言われてもあたしは信じるよ? 逆に男の子なのか疑ってるよ! なんでこんなことになったの……いや、放課後残ってって言われたからなんだけど。
うーん、さすがに埒が飽かないのであたしから声をかけよう。だって早く帰ってゲームしたいし。
「ねえ」
「ひゃ、ひゃい!」
「なにか話があるんでしょ? なにかな?」
「え……えっと……僕と……」
「うん」
「僕と……付き合って……ください……」
「うん?」
付き合ってください? えっと、それってつまり? あ、告白!? 嘘!? 世古太君に告白された!?
待って、そんな「どうかな?」みたいな目で見ないで。世古太君の容姿だと、可愛すぎて破壊力がヤバいから。あー、うー。これは辛くても断らねば……。あたしには彩がいるわけだし……。
そう思っていると世古太君はなにかを察したのか、手をブンブンと振って言い直した。
「あ……違うよ……えっと……ゲーム……付き合って……ほしいなって……」
「え? ゲーム?」
「うん……メイク・スキル・オンライン……っていうゲーム……」
「あ、それならあたしもやってるよ?」
「大樹たちから……聞いてたから……分かってる……」
「あのバカップル……」
本人確認する前に言っちゃダメでしょ、なに考えてるのあの二人は。
とりあえず今度香里ちゃんに恐怖を与えて、大樹君の首を絞めてもらおう。そうしよう。
というかゲームに付き合ってほしかったんだね、危なかった。早とちりだったよ、返事が遅れてよかった……。
「(それに……彩ちゃんと……付き合っているの……聞いちゃったし……)」
「え? ごめん、聞こえなかった。なんて言ったの?」
「ううん……なんでも……ないよ……」
うーん、悲しそうな表情してたしなんでもないってことはないと思うんだけど……本人が言えないなら仕方ないね。
本当に必要なら言うよね、多分。
「それで……ゲーム……なんだけど……」
「あ、そうだったね。どうするの?」
「こういう……ゲームに……慣れてないから……一緒に……したい……!」
「うーん、あたしはいいけど……あたしのプレイって特殊だよ?」
「芽里ちゃん……としたい……から……いい……」
「可愛いことを言うのは、この口かー!」
PKプレイでもいいから一緒にしたいと言ってくれた世古太君のほっぺをつねる。うわっ、柔らかいよ。
まったく……でもこれは考え直させないとね。
あたしはほっぺから手を離すと人差し指で世古太君を指差して、注意してあげる。
「でもそれはダメ!」
「えっ……なんで……?」
「そんな涙目で見てこないでよ!」
「だって……」
「世古太君だからダメって訳じゃないからね? 他の人……例え彩でもあたしと一緒がいいからって理由でPKするのはダメ!」
だってこのゲームはMMORPGだよ? みんなでワイワイ騒いで、一緒に楽しく遊ぶゲームなんだよ?
それをリア友のために放棄するのは、ダメだとあたしは思ってる。
だってあたしだってスキルで勝手にPKしてなかったら、今ごろPKなんてやってないと思う。彩のパーティで楽しくゲームをしてたはずだよ。
まあ、PKはPKで楽しいから自分からやりたいってなったなら歓迎はするよ?パーティは組まないけど。いつ殺しちゃうか分からないからね……。
そんな感じのことを世古太君に伝えると、あたしの言いたいことが分かったのか納得はしつつも意気消沈って感じだった。うーん、なら妥協案はどうだろう?
「それじゃあ世古太君」
「なに……?」
「今日は一緒にゲームしよ?」
「……うん……!」
「イベントとかの時はみんなでしようねー?」
「うん……あり……がとう……」
「あー、泣かないでー!?」
結局家に帰ってきたのは、3時前くらいだったよ。やっとゲームができるよ!
彩「世古太君、今度二人でお話ししようね?」
歩藤「竹刀……置いて……くれたら……いいよ……」
彩「大丈夫、痛いのは最初だけだから」
歩藤「助けて……芽里ちゃん……」
Twitter始めました。
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名前は自信だけはある白豚、そのまんまだな!
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