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82話目

何人が覚えていたかな?

彼らの存在を!

 夏休み15日目。

 今日は出校日当日だよ! というわけで、暑い暑い通学路を制服で歩いてるよ。うーん、いつも通りだけどセミがうるさいね。

 あ、彩の後ろ姿発見! 突撃ー!

 あたしは彩を見つけると、走ってその背中に飛び付いた。彩はそれで少しよろけたけど、バランスを取り直してあたしを見て困ったように笑った。


「おはよ! 彩!」

「おはよう、芽里。とりあえず飛び付くのは、危ないから止めよっか」

「はーい」

「あと暑いからくっつくのは止めてね? やるなら家に行ってからにしよ?」


 そう言って彩はあたしから離れてしまう。まあ、あたしも暑かったから別にいいんだけどね。

 今日はなにしようかなー? 大体出校日って宿題の提出くらいしか、やること覚えてないんだけど?

 彩に聞いてみると、ちょっと呆れられたけど教えてくれた。へー、広島に原爆が落とされた日なんだー。

 長崎なら覚えてたんだけどねー、同じ九州だし。広島に原爆が落ちた日なら冥福を祈らないとねー、黙祷。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 うん、普通に出校日の時間割が終わって、今は宿題を担当の生徒の子に渡しているところだよ! えーっと、英語のワークは………世古太君だね。


「世古太君、英語のワークお願い」

「う、うん……」


 歩藤(ぶどう)世古太(よこた)君は肩まである黒髪で男としては華奢な身体で、女の子みたいな男の子。

 彩いわく『男の娘』っていうらしい。発音同じだから最初は意味が分からなかったけど、ノートの端に書かれてやっと分かったんだよね。

 世古太君はあたしがクラスの中で話せる数少ない一人で、他の人だとあとは、音無(おとなし)香里(かおり)ちゃんと(かじ)大樹(たいき)君のバカップル二人しかいない。

 あたしのクラスって40人いるのに、交友関係がこれだけってよく考えたらおかしいんじゃ……。しかもカップルの二人とは、そこまで喋ってないし。

 ま、まあ今はどうでもいいよね! 目から汗なんて出てないもん! とりあえずやることも終わったから、家に帰って早くゲームしよっと。

 そう思って帰る準備をしていると、世古太君が近寄ってきた。


「あ、あの……! 芽里ちゃん……」

「ん? どうかしたの?」

「ちょっと……話があるから……帰るの待って……」

「んー、いいよ。待ってるね?」

「うん……!」


 世古太君は話すのが得意じゃなくて声も小さいから、みんな小動物みたいに見てるんだよね。背も小さいから余計そう見えるのかも。あたしよりは大きいけどね。大体140センチくらいじゃないかな?

 でも行動が小動物っぽくてあたしより女の子してるんだよねー。世古太君は嬉しそうに仕事に戻って、入れ替わりでカップルの二人が来た。


 ちなみに香里ちゃんは10代後半っぽい見た目でちょっとだけ大人っぽいで済むんだけど、大樹君は完全におじさんっぽい見た目だよ。これで本当に同い年なのか、今でも信じられてない。

 あと、この二人は幼馴染みでもあって雰囲気は完全にバカップルなんだけど、二人は付き合っていないって言ってるんだよね。


「芽里、ちょっと聞きたいことがあるんだが?」

「どうしたの? また恋愛相談?」

「おいこら」

「え? 大樹好きな人いるの? ねえ誰? ねえってば!」

「か、香里には関係ないだろ!?」

「な、何をー! 教えてくれたっていいじゃないのよ!」


 チッ、リア充爆発しろ。


「チッ、リア充爆発しろ」

「おい、また心の声が漏れてるぞ」

「あ、ごめん……って、また?」


 そんなことあったっけ? 記憶を漁ってみるけど、言った覚えがまったくない。

 あたしが首をかしげると、分かりやすく溜め息を吐く大樹君とあたしと同じように首をかしげる香里ちゃん。

 香里ちゃんも分かってないならなんで来たの……?そんなことを思っていると、大樹君が爆弾発言をした。


「お前メリーだろ?」

「………もしかして知り合い?」

「見た目で気づけよ。カジキだよ、カジキ」

「……ん!? 芽里ちゃんってメリーちゃんなの!?」

「香里、お前一回黙ろうな? 話がややこしくなるから」

「あぁ、カオリさんと屋台のおじさんだったんだね」

「なあ? 俺あのとき自己紹介したよな? なんで屋台のおじさん呼ばわりのまんまなの?」


 みんな覚えてるかな?

 夏休み二日目にデスペナ貰ったときに、八つ当たり気味に趣味に走った結果犠牲になったカオリさんとその幼馴染みのカジキさん。この二人って、ゲームの知り合いだったんだ……。

 とりあえず一言言いたいんだけど、言ってもいいよね。


「やっぱりバカップルじゃん」

「「付き合ってないからな(ね)!?」」

世古太「ぼ……僕の……出番じゃなかった……の?」

大樹「すまん世古太。もうちょっと待ってくれ」

香里「すぐに終わるから……ね?」

世古太「う……うん……」


Twitter始めました。

アカウントは@jisinaru_46buta

名前は自信だけはある白豚、そのまんまだな!

感想、評価ポイント待ってるぜ!←ここまでテンプレにする予定。

https://twitter.com/jisinaru_46buta?s=09

↑URLまでテンプレにすることに

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― 新着の感想 ―
[一言] ああ、あのときの! めっちゃ怖がってた人とおっちゃんか。 世古太君、どんまい。 そして男の娘か。 これは、期待しちゃっていいやつかな!
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