122話目
夏休みに入れば……夏休みに入れば執筆の時間が多くできるはずなんだ!
そうすれば何とか完結まで……え?無理?決めつけるのはやめてくれー!
という訳で、いつまでもギルドの前で喋っているのもあれだから、と言われてあたし達はギルマスの執務室に通された。
教卓みたいな大きな机があって、それとは別にテーブルがあった。テーブルはソファで挟まれていて、誰もが想像する偉い人の部屋って感じ。本当に偉かったんだね……。
「威厳が無くて悪かったな!?」
「別にあたし、そこまで言ってないよね?」
「意味は……同じ……だよ……?」
「この人は偉いよりエロいと言うべきよ」
「おい、ミーシャ!?」
お茶を淹れてくれたミーシャさんはそう言うと、机に向かって座っていたゲイツさんの右斜め後ろに陣取った。なんだかんだ普通の秘書っぽいことしてるんだね。
「ま、まあ? この人は私が居ないとダメだからね」
「ツンデレってもう死滅したんじゃなかった?」
「お、俺らの理想の受付統括長が……」
「ツンデレっぽいセリフなだけじゃないかしら? いや、でも片鱗が見えている時点でツンデレと言うべき? あ、このお茶菓子凄い美味しい。ツンデレで料理上手なお姉さん系巨乳秘書……ドMでボクっ娘な体育系ロリヒーラーとどっちの方が強いのかしら?」
「どっちも……どっち……かな……?」
「あ、このお茶に痺れ薬を入れてみるのはどうッスかね? ピリピリして気持ちいいと思うんスけど」
「待って、わたしのには入れないでアルちゃん!」
「収拾つかないわね、メリー」
「どうにかしてよ、アヤ!?」
orz状態になっている男性陣はとりあえず無視して、女性陣はせめてまとまって欲しかった……。
ユーリさんにツッコミしてるセフィール君、何故かお茶に痺れ薬を入れようとするアルちゃんとそれを止めるカオリ、そして遠い目をしたアヤ。
いや、明らかにカオスすぎるんですけど!?
「いや、その前に何故セフィールを男性陣に入れなかった」
「こんな可愛い子が男の子なわけないじゃない、何当たり前なことを言っているの?」
「僕……男……だよ……?」
「単純にセフィール君はorzってなかったからね!」
別に男の子なことを忘れていたとかそういうアレじゃないから、変な勘繰りしないでよね!
「どこのツンデレかしら? いや、この子もこの子でキャラが濃いわね? 百合っ子ロリとか誰とk……」
「アヤ、とりあえずユーリさんが喋れないように縛っといて」
「あ、はい」
「「「怖っ!?」」」
「ハァ……ハァ……いいッス、いいッスよ!」
「男共は一回殺すべきかな?」
「「「な、なんでもないです、はい!」」」
「また……僕は……ハブら……れた……?」
もう誰か助けて……このカオスな雰囲気をどうにかして。
そう思ったのが伝わったのか、ミーシャさんが話を進め始めてくれた。正直このままだと何も出来そうになかったから、有難いと言うかなんというか。
「それで? クランを作りに来たってことでいいのかしら?」
「うん、そうだけど……PKについては何も言わないんだね?」
「ぴーけー? あぁ、人を殺していること?」
一瞬PKがなんなのか分からなかったようだが、アヤが耳うちしてくれたからか、理解してくれたようでよかった。というか、アヤはいつの間にそっちに移動したの?
いや、そんなキョトンとしないでよ。あたし割とNPCたちから嫌われている自覚あるんだけど?
「いや、あんなの極一部の理解が足りない人たちだけよ?」
「理解?」
「ほら、人殺しって簡単に言うけど、あなたは異界人しか殺さないじゃない? 怖がっている人たちは、そういうことが理解できない人たちか、いつこっちに手を出すのか分からないって警戒し過ぎている人たちだけだから」
「それは警戒して当然だと思うんだけど」
というかむしろ警戒しなさ過ぎているのはおかしいと、あたしは思うんだけど。あたしの考えていることが分かったのか、ミーシャさんはクスッと笑った。
「だってあなたが危害を加えるつもりがないことくらい、私には分かるもの」
「いやいや、流石にそれは嘘……」
「じゃあクランを作るために連れて来るつもりだった四人を、今すぐ連れてきてって言っても?」
「な、なぜそれを!? いや、どうせクランを作るんだから連れてくるのは確定だったんだけど、どうして分かったの!?」
え、本当に考えていることが分かるのかな? まさか怪異的なアレとかではないだろうし、そういう魔法でもあるのかな?
「正解は前者よ」
「えぇぇぇ!?」
「え、なに? 急に叫んでどうしたの、メリー!?」
「あー、ミーシャとは同類っぽいし流石に気付くよなぁ」
「あ、間違って痺れ薬じゃなくて即死毒の薬入れちゃったッス。それも全員分」
「おい待て、何やってんだお前」
「つーかせめて自分のだけに入れろよ、なぜ全員分入れたんだアルちゃんよ」
「ほ……ほら……早く……解毒……しよ……?」
ほ、本当に怪異的なサムシングだったなんて……もしかしてさとりさんとかそこら辺なのかな?
いや、とりあえず一旦落ち着こう。そうだ、折角お茶を淹れてくれたんだし、一杯飲んで心を落ち着けよう。
そう思ってお茶を一気に口に入れたあたしは、そのまま後ろに倒れた。
「キュゥ……」
「メ、メリー!?」
「あ、経験値めっちゃ貰えたッス」
「そんなんいいから、さっさと蘇生しろー!」
ナムー(-ノ-)/Ωチーン
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