↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【累計5000pv突破!】最強のドラゴンを従えたので、世界の命運とか気にせずのんびり生きる事した  作者: 黒猫 六郎太


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
81/95

悪夢を消し去る再会

俺はアウラの背にしがみつきながら、雷の槍をそれに向けて放ってやった。


 しかし、体に当たった瞬間、いとも簡単に弾かれてしまう。


 魔法が効かないのかもしれない。


「どうやってあんな奴を倒せばいいんだ?」


「ラルク! 次が来るぞ!」


 それは俺たちに向けて、再び光線を放とうと口を開く。


 徐々に口の中へ光が集まっていく。


 このまま放たせたら、ミーシャたちにも危害が及ぶだろう。


「アウラ、全力であいつに近づけ!」


「分かったぞ!」


 アウラは雷のような速さで、それの顔面まで近づく。


 そいつが光線を放とうとした瞬間――。


「アウラ! 上に飛べ!」


 それも俺たちの動きを読んで、こちらへ顔を向ける。


 光線が俺たちに向けて放たれた。


「かかったな! 自分で食らいやがれ!」


 俺たちの前の空間を歪め、光線がそれの顔面に当たるようにしてやった。


 それは避けることもできず、まともに光線を食らって倒れた。


 久々に空間を歪めたせいか、疲労感が俺を襲う。


 これで終わってくれるといいのだが……。


 しかし、俺の思惑とは裏腹に、邪神はゆっくりと起き上がる。


 石のように粉々に砕けた顎が、再生していく。


「不死身か?」


 本当にこいつを倒せるのだろうか?


 焦りの感情が俺の中で広がっていく。


 もう一度光線を放たれたら、ただでは済まない。


 漆黒の鎧でも防げるか?


 それは、俺の焦りを知ってか知らずか、奇声を上げながら体を光らせ、自らに障壁を張ったようだった。


「光線は連続では放てないみたいだぞ。一回撃つのに五分は必要みたいだ。その隙に何とかするしかないぞ」


「五分……」


 そんなわずかな時間で何ができるのか。


 俺が考えていると、再び光が迫る。


「まだ、五分も経ってないぞ!?」


 慌てて遠くへ離れようとしたが、それが放つ光線の光ではなかった。


 ロックウェルの最終兵器、神罰砲の光だった。


 神罰砲はそれを貫くと、まとっていた障壁だけを打ち砕いた。


「どうして神罰砲が?」


 俺が戸惑っていると、テオドールの声が頭に響く。


「ミーシャ様が空飛ぶ島を経由して、ロックウェルの人々に頼み込んだのです」


「ミーシャが?」


 やれることをやると言っていたが、行動が早いな。


 俺は感心すると同時に、ミーシャへの感謝の気持ちが込み上げてきた。


「ええ。貴方の役に立ちたいと言っていましたので、私が力を貸しました。ミーシャ様の行動力も凄いですが、貴方が正しく絆を結んだ成果ですよ」


俺は、やりたいようにやっていただけだった。


 それが結果的に絆を結ぶことになっていたのだと思うと、温かな感情が湧き上がり、次第に不安を打ち消していく。


「ミーシャと、手を貸してくれたサイモンたちに礼を言っといてくれ」


「お断りします。自分の口から後ほどお伝えください。それに、これだけではありませんから」


「まだ、何かあるのか?」


 しかし、テオドールの声はもう聞こえない。


「長ったらしく話してないで、早くやっつけろってか? いいぜ、やってやるよ。アウラ!」


 アウラは俺の言いたいことが分かったのか、それの足元へ飛んでいく。


 俺は氷の魔力で作った刃で、膝辺りを切りつけてやった。


 すると、膝辺りから黒い血のようなものが流れ、それは前のめりに倒れた。


 魔法そのものは効かないが、魔法で作った物体による攻撃なら効くのだろう。


「地道にちまちま攻撃してれば、倒せそうだな」


「ラルク、あれを見ろ」


 アウラの視線の先には、それから流れ出た黒い血が溜まっていた。


 その黒い血は泥のような化け物へと変わり、辺りを彷徨い始める。


「血から化け物が生まれるのか。下手に攻撃もできないか……」


 血からは十体ほどの化け物が生まれ、鹿や熊を襲っていた。


 放置すれば、人にも危害が及びかねない。


 俺は化け物たちに雷を落とすが、二体しか仕留められなかった。


 すると、それは俺たちの様子を見て、自らの体を傷つけ、辺りに血を撒き散らす。


 次の瞬間、辺りに数百もの化け物が生み出された。


「俺たちを消耗させる気か……!」


 アウラも火を吐いて化け物たちを仕留めるが、それでも次々と化け物が生まれてくる。


「キリがない……」


 本調子ではない上に、先ほど空間を歪めたことで体力と魔力をかなり消耗してしまった。


「うっ!」


 化け物たちはアウラの背に乗る俺へ、影のような細長い黒い手を伸ばしてきた。


 その手が俺に触れた瞬間、魔力を吸われ、力が抜けていくような感覚に襲われる。


 このままではアウラから落ちる。


 そう思った時――。


 化け物たちは一斉に凍りついた。


「アウラ、ラルク。久しぶりだな。助けに来てやったぜ」


 声の方へ振り向くと、そこにはルーシュ城の騎士、アレクが立っていた。


 そして、その後ろには百人近い兵士たちがいる。


「アレク! どうしてここに?」


「あんたの彼女から、助けに来てくれって頼まれたんだよ。ルーシュ城を救った恩人様を助けるためなら、命を懸けて戦うぜ! あ、全部終わったら、俺の活躍を綺麗な女の子たちに伝えてくれよ」


 相変わらずだなと呆れを感じたが、アレクたちが来てくれたなら安心だ。


 俺は安堵していた。


「考えとくよ。お前がいてくれるなら、どうにかなるかもな」


「俺たちだけじゃないんだ。ほら、出て来いよ」


 アレクに促されるように姿を見せたのは、勇者セルジュだった。


 心なしか、少し貫禄が備わったように見える。


「ラルクさん、お久しぶりです」


「セルジュ! 来てくれたのか!」


「ラルクさんのためなら、僕はいつでも駆けつけますよ」


 セルジュは無邪気な笑みを浮かべている。


「アレクやルーシュ城の者たちは化け物を相手してくれ。俺とセルジュは邪神の体を消滅させる」


「任せときな! お前ら、ルーシュ城の意地を見せつけてやれ!」


 アレクが兵士たちに声をかけると「おー!!」と、力強い返事が返ってくる。


「早速で悪いが、行くぞ、セルジュ」


「はい!」


 セルジュは俺と共にアウラの背に乗ると、聖剣の柄に触れる。


 アウラは高く飛び立ち、それの周りを飛び回った。


「ラルクさん、あれを見てください」


 それは、再び俺たちに光線を放とうとしていた。


 光線の光が口の中に集まっていく。


 その時、胸元にある赤い石も連動するように光っていた。


「きっと、あれが奴の魔力の源です。破壊すれば、無力化できるはずです」


 俺は拳を握ってみた。


 消耗しすぎたのか、うまく力が入らない。


「セルジュ、石を破壊するのはお前に任せた。俺は囮になって奴を引きつける。できるか?」


 振り返り、セルジュの目を見つめる。


 明らかに怯えていた。


 それでも、首を横には振らなかった。


「や、やります。一人前の勇者になるために! ラルクさんの期待に応えられるように!」


「ありがとう。よし、やるぞ」


「分かったぞ!」


 アウラは高速で、それの周りを飛び回った。


 そして光線が放たれる間際、セルジュはアウラの背から飛び降りる。


 それを悟られないように、俺はそれの周囲で派手な雷と火の魔術を放ち、注意を引きつけた。


 光線が俺たちへ迫る。


 アウラは光線を避けた。


 しかし、光線は軌道を変え、俺たちを追ってくる。


「くそ、こんな真似もできたのかよ!」


 光線が俺たちに触れる――。


 そう思った瞬間、光線が消えた。


 そして、それの叫び声が聞こえた。


 セルジュがやってくれたのだと、俺は理解した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。