ep.2-95 基礎講習 Third part
10年後のあなたは
どこで何をしていますか?
タイムカプセルに入れるような
在り来りな質問
漠然としているが
いずれやってくる10年後
誰かに聞かれることもそうそう無い
みんなは頭を悩ませているようだ
「(マティア)
まずは・・・
提督はいかがですか?」
「(グレイ)
私は・・・
海の上にいることが好きだ。
その頃になれば
ある程度
歳を取ってしまっているから
後進の者たちが育っていれば
陸に上がって現場から離れるようになるなら
引退するかもしれないな・・・」
「(マティア)
そうですか・・・
ですが提督
陸の上に上がっても
生きている限り
あなたの立場を考えれば
何もしないわけにはいきませんし
その影響力は
引退したとしても
簡単に霞むものではないでしょう。」
「(グレイ)
そう言ってもらえるのは
私としては嬉しいよ。
だが
体を万全の状態で動かせないのであらば
私は
自分の引き際を
間違えないようにはしたい。
私の見栄で
部下を死なせるわけにはいかないからな。」
「(マティア)
提督はこう言っていますが
ブランドンさんは
10年後どうしていますか?」
ブランドンさんは少し時間を置いて答えた
「(ブランドン)
俺は・・・
正直迷っているかな。
現場で働いているのは間違いないが
このまま兵長という立場でいるか
艦長を目指して頑張るかは
まだ決めきれていない。」
「(マティア)
その理由は?」
「(ブランドン)
艦上で乱戦になった時
提督や艦長以外に
誰かがみんなを纏められないと
俺が新兵だとしたら
自分自身がとても不安になるからかな。」
「(マティア)
という事は・・・
後進が育てば
その限りではないと?」
「(ブランドン)
どうかな・・・
周りの状況に依るかな・・・」
「(マティア)
と言ってますけど
提督
これで良いんですか?」
「(グレイ)
良くないな。
兵達の管理をしてもらっているのは間違いないが
それを理由に
ブランドンの将来の可能性を
私が潰してしまうのは問題だ。」
「(マティア)
仰る通りです。
私個人の感想と予測になりますが
ワルターさんと話した感覚からして
マクナマラ辺境伯は
間違いなく有能な人物です。
これからもマクナマラ領は
更に大きくなっていくと思います。
結果を出せば
見返りは必ずあるはずです。
その時に
軍でも
屋敷でも
沢山のポストが生まれると思いますが
皆さんは
海軍の中でも中心人物になれるように
育っていかないといけません。
ブランドンさんの場合
話を聞いていると
それだけ周りが見えているなら
将来的には艦長以上に昇進しても問題は無いと
私はそう思いますし
それだけの能力があるなら
兵長という立場に留まるのは
勿体ないと思います。
有能な人材を
生かすだけの力量は持っていると思います。
ここまで聞いて
皆さんはどうですか?
将来どうなりたいですか?
将来は自分自身で決めなければなりません。
では最後になります。
この一連の話の流れ
皆さんは気付きましたか?
10年後と言いましたが
この数字は
20年後でも
死ぬ間際でもいい。
ただ
目標とする場所に到達するのに
最初から話してきた内容が
全て関わってきます。
自分が目標とするものに
これだけの事を達成して
そして
自分たちの後進に
伝えていかなければならない。
やらなきゃいけないことは沢山あるから
手を抜くことが出来ない。
皆さんは
この重圧に耐えられますか?
耐えることが出来れば
提督や
ブランドンさんや
エドワードさんのようになれます。
成長は
いつ
どのように
起こるか分かりませんし
成長曲線は人それぞれ違います。
駆け足の人もいれば
ゆっくりの人もいます。
では
今日はここまでにして
皆さんは
分かりきっていることだと思いますが
後日
戦闘に関する知識をお教えします。
それから・・・
提督とエドワードさん
それと
暴れ姫に
内々の話があるので
お時間ありますか?」
「(グレイ)
もちろんだ。
提督室に行こう。」
「(エドワード)
行きましょう。」
「(暴)
構わんよ。」
私たちはその場を立ち去った
「(ブランドン)
なあブライアン君
彼はいつもあんな感じなのかい?」
「(ブライアン)
初めて会った時から
あんな感じです。」
「(ブランドン)
どうしてあんなに順序立てて
物事を説明できるんだ?」
「(ブライアン)
マティアさんから聞いた話によれば
彼のお爺様とお父様が
手を抜くことなく生きてきたようです。
多分ですが
マティアさんもそれに倣って生きているんだと思います。」
「(ブランドン)
そういう事か・・・
彼には
少なくとも
3世代分の知識や技術が
集積されているわけか・・・
そんな相手に
やれ剣術だ
やれ魔法だ
やれ知識だで
凡人が敵う訳ないな。」
その後
甲板上では
ブライアンとウォーレンと海兵たちの
討論会が日が暮れても続いた




