ep.2-90 見切り発車
所変わって厨房では
クエスとヘイリーが
お菓子作りをしていた
2人は朝食後に
烹炊長の所へ行き
厨房の一角を借りて
焼き菓子を作り始めた
烹炊長は
厨房を使うための条件を出した
夕方までに
この艦にいる人数分の
お菓子を用意すること
2人は後先を考えず
その条件を呑んでしまった
もうすぐお昼になるが
未だに焼成の段階に入れていない
さすがに
お菓子とはいえ50~60人分を
子供2人だけで用意するのは大変だ
見かねた烹炊長は
フランツに2人の手助けを指示した
フランツは2人に問いかけた
「(フランツ)
2人とも大丈夫?」
涙目で2人が答えた
「(クエス)
フランツさぁん・・・
間に合わないよぉ・・・」
「(ヘイリー)
フランツさぁん・・・」
「(フランツ)
お・・・おぉ・・・」
フランツが作業台に目をやると
2人は
ドライフルーツ入りのクッキーを作っているようだったが
食材の用意と
生地を捏ねるだけでその先には進めていなかった
「(フランツ)
2人とも
作っている物はクッキーで
間違いないかい?」
「(クエス・ヘイリー)
はい・・・」
「(フランツ)
それじゃあ・・・
2人はそのまま
生地を作ってもらえるかな?」
「(クエス・ヘイリー)
はい・・・」
涙目の2人を尻目に
フランツはオーブンの火入れの準備を始めた
普通にクッキーを焼くだけなら誰でもできるから
どんな工夫をしようかな
など考えながらオーブンに火を入れ
作業台に戻って
2人に問いかけた
「(フランツ)
2人とも
なにか工夫することを
考えていたりするかな?」
「(クエス)
焼き上がったそのままの物を
皆さんに出してもいいと思っているんだけど・・・
それだけだと
マティアさんは喜ばないですよね?」
「(フランツ)
そうだね・・・」
フランツは
前回作ったアップルパイの材料の残りに目をやった
リンゴ
砂糖
塩
が残っているが
ふんだんに使えるわけでもない
だが
砂糖をこんなに贅沢に使える機会なんてそうそう無い
「(フランツ)
2人とも
良いことを思いついたから
クッキーの形にしたら
プレートに置いて
とりあえず焼いてしまおう。」
「(クエス・ヘイリー)
はい・・・」
3人は形にした生地をオーブンに入れ
クッキーを焼いた
「(クエス)
フランツさん
良いことって何ですか?」
「(フランツ)
この間の
アップルパイの材料の残りを
使おうと思っているんだけど・・・
材料がそんなに多くは残っていないから
砂糖を使ってキャラメルソースを作って
焼き上がったクッキーに
それをかけようと思っているんだけど・・・」
「(ヘイリー)
美味しそう・・・」
「(クエス)
確かに。
フランツさん
折角だから
切ったリンゴにも
キャラメルソースをかけて出しませんか?」
「(フランツ)
いいね!
それじゃあ・・・
2人には
キャラメルソースを作ってもらおうかな。
作り方を教えるから
見てもらえるかな?」
「(クエス・ヘイリー)
はい!」
フランツは材料の準備を集めた
「(フランツ)
キャラメルソースなんだけど
材料は3つ
砂糖
生クリーム
水
重さの比で
1:1:少しかな
まずは・・・
鍋にグラニュー糖と水を入れ
水が全体に行き渡ったら中火で加熱する。
ここで注意してほしいのが
水分を全体に行き渡らせてから加熱を始めないと
砂糖が焦げてしまうからね。」
「(クエス・ヘイリー)
はい!」
「(フランツ)
次に
全体が沸騰し始めたら
違う鍋を用意して
生クリームを弱火で軽く温める。
砂糖が茶色くなってきたら
木ベラで混ぜる。
この時に鍋の中の温度が下がると
砂糖が結晶化してしまうから
茶色くなるまでは木べら等で混ぜないようにする。
加熱する時は
鍋の向きを変えながら
均一に加熱されるようにしましょう。」
「(クエス・ヘイリー)
はい!」
「(フランツ)
濃い茶色になったら火を止め
生クリームの全体の1/4量くらいを加えます。
生クリームを加え
蒸気が落ち着いたらよく混ぜるんだけど
火傷に気を付けてね。」
「(クエス・ヘイリー)
はい!」
「(フランツ)
で・・・
蒸気が落ち着いたら
2回目
3回目
4回目と
生クリームを加えていって
ダマとかなく
きれいで滑らかなクリーム状になれば完成。
ただクッキーのような物にかけるなら
水気を少なくして
クッキーがふやけない様にしようか。
そろそろクッキーも焼き上がりそうだから
試しに味見してみようか。」
「(クエス・ヘイリー)
はい!」
フランツは出来上がった
試作品のキャラメルソースを
クッキーとリンゴに塗って
クエスとヘイリーに味見させた
「(クエス・ヘイリー)
おいしー!」
「(フランツ)
その感じなら良さそうだね。
烹炊長たちにも味見してもらおう。」
「(クエス・ヘイリー)
はい!」
出来上がったお菓子の出来が
想像以上に良かったためか
2人は大喜びのようだ




