表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

127/137

ep.2-88 合うシャツが無い

「(マティア)

 そうですね・・・

 基本的な形はいいのですが・・・

 左から順番に。

 最初のこのシャツは

 大きすぎです。

 これを着たら

 あのアウターからシャツが

 思いっきりはみ出して

 だらしなく見えてしまうので

 ダメです。

 普段着専用です。」


私が伝える言葉を

ランドルフさんは

メモに書き込んでいった


「(マティア)

 次に・・・

 これは・・・

 僕は使用人なので

 こういったフリルみたいのが付いているのは

 要りません。

 ある程度立場がある人にはいいですが

 一般人にはこれは向いていません。」


はあ・・・

これもダメだな


「(マティア)

 フォーマルな場で着る事を想定しているので

 胴の部分と袖の部分で

 色を変える意味が分かりません。

 これも普段着としてだけです。」


これはまだましかな


「(マティア)

 これは

 形はいいですが・・・

 ただ・・・

 アウターと同じ材質なので

 体へのフィット感があまりになくて

 ぼてっと見えてしまうので

 材質を麻に変えて作ってみてください。」


これも悪くはないけど・・・


「(マティア)

 ストライプはいいんですが・・・

 横縞ではなくて

 縦縞にして作ってみてください。

 縞の間隔は色々作ってみてください。

 色的には

 白と他の色の組み合わせにして

 色も薄めにするといいと思います。

 需要が高くなりそうなのは

 白と水色かピンクの組み合わせかな・・・」

「(ランドルフ)

 分かった。

 他に注文はあるか?」

「(マティア)

 4枚目のこれを

 基本の形にしてほしいんですけど

 追加でお願いしたいことがあります。

 襟のデザインなんですが

 襟足の高さを3〜4cm

 襟先を7cmぐらいにしてください。

 それから

 袖口を綺麗に見せるために

 5cmぐらい折り返して

 糸で縫って

 ピシッと留めてください。

 それと

 手首の外側の所に

 10cmほど切り込みを入れてください。

 それと

 袖口をボタンで留めたいので

 つけてください。」

「(ランドルフ)

 分かった。

 ちなみに

 ポケットは付けるか?」

「(マティア)

 そうですね・・・

 注文次第でいいと思います。

 試しに次に来る時までに

 胸の所に付けたものを

 作ってみてください。」

「(ランドルフ)

 分かった。

 用意しておく。」

「(マティア)

 ちなみに

 エドワードさんの

 最初の依頼はどうですか?」

「(ランドルフ)

 お前みたいに

 自分の注文以外も

 何度も確認してくる客は珍しいな。

 前回来た時に1週間後と言ったが

 変わらずだな。

 完成まで4~5日だな。」

「(マティア)

 分かりました。

 引き続きお願いします。」

「(ランドルフ)

 あとは大丈夫そうか?」

「(マティア)

 エドワードさんはどうですか?」

「(エドワード)

 注文を追加してもよろしいですか?」

「(ランドルフ)

 何をご所望で?」

「(エドワード)

 後日になりますが

 我が主をお連れして

 採寸していただきたいのですが

 可能ですか?」

「(ランドルフ)

 勿論です。

 お待ちしております。」

「(エドワード)

 よろしくお願いします。

 私からは以上になります。」

「(ランドルフ)

 では・・・

 エドワードさんの分を用意するために

 採寸をしてもいいですか?」

「(エドワード)

 お願いします。」


私はエドワードさんが採寸されている間

工房の中を見せてもらった

そこでは家族総出で

エドワードさんの依頼をこなしていた


私が工房内に入ると

全員の視線が私に集中した


「(マティア)

 初めまして。

 アルベから来た

 料理人の『マティア』といいます。

 ランドルフさんに許可を貰って

 見学させてもらっています。

 よろしくお願いします。」


一番奥で作業をしていた

奥さんらしき人が挨拶を返してくれた


「(奥さん)

 こちらこそ初めまして。

 主人が言っていた人はあなたかしら?

 こんな零細工房に

 色々と注文を入れてくれて助かったわ。

 私の名前は『マイラ』

 こちらこそよろしくお願いね。

 聞いてるかもしれないけど

 そこで作業しているのは

 息子の

 『ベンジャミン』と

 『デクスター』

 そっちは

 娘の

 『エスメ』よ。」

「(マティア)

 よろしくお願いします。」

「(ベンジャミン)

 こちらこそよろしく。

 親父から聞いているよ。

 なんでも

 色んなアイデアを持っているみたいだな。

 親父が感心していたよ。

 この工房は

 家族経営でそこまで大きくはないけど

 品質の良さは

 この町でも1・2を争うぐらいだと思っているから

 新しい物とかあるなら

 是非ウチに注文してくれ。

 後悔はさせないよ。」

「(マティア)

 ありがとうございます。

 今回のお願いが完了したら

 また新しく注文するつもりなので

 よろしくお願いします。」

「(ベンジャミン)

 そうか。

 なら

 この注文を早く仕上げないとな。」

「(デクスター)

 兄さん

 相手は貴族様なんだから

 手を抜かないでくれよ。」

「(ベンジャミン)

 分かってるよ。

 ただ

 親父のあの顔は

 久しぶりに見たからさ。

 どうしても気になっちまうだろ。」

「(エスメ)

 そうね。

 あの売れ残りを気にいる人がいるとは

 私も思っていなかったけど

 あなたが来てから

 形が出来上がっていくのを見ると

 中々面白そうな物が出来そうね。」

「(マティア)

 恥ずかしい物にならないようにはしていますので

 楽しみにしていてください。」

「(マイラ)

 さっき

 旦那との会話が聞こえたんだけど

 結構自信があって

 頭の中にある程度

 形が出来上がっているのかな?」

「(マティア)

 はい。

 フォーマルとして使える物が

 前々から欲しいな

 と思っていたのですが

 自分が思い描いてた

 近いものをランドルフさんが仕立てていたので

 自分のオーダーを伝えて

 仕上げてもらっているところです。」

「(マイラ)

 案外うちの旦那も

 一端の職人として

 これからもやっていけそうね。」

「(マティア)

 なんか・・・

 成功する前提で話していませんか?」

「(マイラ)

 そりゃあ・・・

 あのキーラが太鼓判を押すなら

 心配してないわよ。」


願ってもいないのに

こんな工房でも

私への評価が勝手に先走っているようだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ