ep.2-85 反証の必要性
夕食会も終わり
ヘイリーとクエスを先に湯浴みに行かせた
2人の代わりにエリスとレベッカが
部屋に入ってきた
「(暴)
さて・・・
本当のメインディッシュに移ってもらおうかの。」
「(グレイ)
ええ。
ただ・・・
ブライアン君とウォーレン君は
どうする?」
「(ブライアン)
僕たちも参加させてもらえませんか?」
「(グレイ)
こう言っているが
みんなはどうかな?」
「(サンドラ)
私は構いません。」
「(暴)
わっちもじゃ。」
「(マティア)
2人に聞きたいんだけど
今からの会話を聞いたら
最後までやり切る覚悟をしてくれ。
それでもいいかい?」
「(ブライアン・ウォーレン)はい!」
「(グレイ)
分かった。
サンドラさん
報告をお願いできますか?」
「(サンドラ)
分かりました。
まずは
侯爵海軍の方から。
探りを入れたところ
海軍上層部は
本件とは関りが無いことは確定しました。」
「(グレイ)
その理由を聞いても?」
「(サンドラ)
はい。
いくつかあるのですが
1つ目は
私が信用できるものに探りを入れたところ
海軍の連中は従士長の事を
心の底から毛嫌いしているそうです。
海軍司令は表面上は仲良くしている素振りをしているそうですが
侯爵閣下に絶対の忠誠を誓っていて
侯爵閣下からの指令に
度々口出ししてくることに
辟易していたそうです。
2つ目は
海兵たちは侯爵閣下の移送には
関わっていませんでした。
私からの問いかけにも
初耳だったようで
あからさまに驚いていました。
3つ目は
エリスが企てた工作活動で
例の2商会ととある施設が
ありえないぐらい慌ただしくなりました。」
「(暴)
どんな風にじゃ?」
「(サンドラ)
いつもなら
馬車で納品するほどの物量があるのですが
他の商会は
納品が遅れる了承を取って
その場をやり過ごそうとしていたのですが
わざわざ
商会の人間を総動員して
期日通りに納品しようと頑張っていましたね。」
「(マティア)
エドワードさん。
先日
従士長にもらった
物資の購入先一覧はどうなっていますか?」
「(エドワード)
例の2商会は
一覧の一番上に書かれています。」
「(暴)
決まりじゃな。」
「(グレイ)
ええ。
真っ黒ですね。
本人たちも気付かぬうちに
本音を漏らしていますしね。」
「(マティア)
エリス
お前に言ったこと
覚えてるか?」
「(エリス)
あの
決めつけるなってやつか?」
「(マティア)
そうだ。
俺たちが間違っていても
元の場所に戻って来れるように
お前は
これから出てくる証拠の
反証になる材料も探してくれ。」
「(エリス)
分かった。
でも
ここまで来ているのに必要なのか?」
「(マティア)
誰かを悪者にするなら
間違った時に
その誰かの信用を取り戻す必要がある。
それに
人を無条件で裁くことは
誰にもできるが
事実を証明して
誰にでも納得できるように裁くのは
容易な事じゃない。
それと
例の監視の方はどうだ?」
「(エリス)
海軍基地からの伝令は
陸軍の方へは誰も飛んでいないな。
それから
サンドラが来てくれたから
今は
商会の裏取りを始めてる。
多分だが
財務諸表とか裏帳簿なんかを見れれば
証拠は出てきそうだ。」
「(マティア)
分かった。
サンドラさん
ちなみに
とある施設というのは?」
「(サンドラ)
裁判所だ。
罪人に食べさせる食材が届かないだけなら
そこまで慌てる必要は無いだろうが・・・」
「(暴)
確かにそうじゃの。
普段と違う人物が居るからじゃろうな。」
「(グレイ)
ここまでの話を総括すれば
例の2商会が
従士長の企みを知っている可能性が高いこと
海軍自体は
従士長を毛嫌いしているが
物資が1度海軍基地を経由しているから
海兵の中と裁判所
それから城内に
この事態を知っていようがいまいが
従士長に加担している者がいること
裁判所に侯爵閣下が囚われている可能性が1番高くなった。」
「(サンドラ)
あとは・・・」
「(マティア)
ええ
陸軍ですが・・・
できれば
冒険者ギルドにも
楔を打っておきたいですね。」
「(グレイ)
何か引っかかることでも?」
「(マティア)
はい。
どうしても拭えない
疑念があります。」
「(グレイ)どうする?」
「(マティア)
そうですね・・・
サンドラさん
司祭さんに別の依頼を出しても
大丈夫ですか?」
「(サンドラ)
内容によると思うが・・・」
「(マティア)
手紙を
秘密裏に2通送りたいのですが
出来ますか?」
「(サンドラ)
それなら問題無いと思うが・・・
何処に送るんだ?」
「(マティア)
今こっちに向かっている
ワルターさんと
帰還途中の本隊です。
エリス
お前の村の人間宛に
手紙を書いて出してくれ。
内容は
『次に来る手紙を受け取ったら
ワルターさんと一緒に
可能な限りバレずに
この町の南側の数ヶ所で
騒ぎを起こせ』と
それから
エドワードさんには
帰還途中の本隊に
『町に到着する時に
北側に布陣して
街道とその周囲を封鎖しろ』と
書いてください。」
「(エドワード)
分かりました。」
「(エリス)
俺も大丈夫だ。
だが
何故南側なんだ?」
「(マティア)
そのうち分かる。」
「(サンドラ)
私は
司祭様に話をつけたら
引き続き海軍の動きを見ておくのと
海軍司令と接触できないか動いてみるかな。」
「(マティア)
お願いします。
必要であれば
僕に連絡してください。」
「(サンドラ)
分かった。」
「(マティア)
エリスは引き続き
例の商会の裏取りをしてくれ。
可能なら冒険者ギルドもだ。
レベッカも可能な限り
親父と行動してくれ。」
「(エリス)分かった。」
「(レベッカ)了解した。」
「(グレイ)
マティア君。
陸軍には
どうやって接触するんだい?」
「(マティア)
陸軍副司令に
普通に面と向かって話そうと思います。
誠実な人そうですので
曲った事が嫌いそうですし
証拠を持って行けば大丈夫だと思います。」
「(グレイ)
分かった。
そっちの方は
君に一任しよう。
それから
君たち2人はどうかな?」
「(ブライアン)
ありません。
話が高度過ぎて
口を挟むと
明らかに悪い方へと行ってしまいそうなので。」
「(ウォーレン)
僕もありません。」
「(暴)
今日はこの辺までじゃろうな。
マティアよ
お前さんのことだから
裁判所にどう手を出すか
もう考えてあるんじゃろ?」
「(マティア)
ああ。
だが今は伏せておく。
なるべく
怪我人が出ないようにしたいからな。」
「(グレイ)
じゃあ・・・
今日はこれでお開きだ。
明日からも
各員仕事を完遂してくれ。」
報告会も終わり
それぞれ晩酌を続ける者もいれば
翌日の準備をする者もいれば
もう寝る準備をする者もいて
本日はお開きになった




