ep.2-82 ビーフシチュー
港へ帰ってくると
ブライアン達も暴れ姫に招待状を渡して
ちょうど帰ってきたところだった
彼等はそのまま船室へと入っていった
「(マティア)
サンドラさん
お手伝いしていただいて
ありがとうございました。
夕食まで
提督とエドワードさんと
世間話でもして
待っていてください。」
「(サンドラ)
ああ
そうさせてもらうよ。
貴重な情報を
失う訳にもいかないからな。」
私はその足ですぐに厨房へ向かった
「(ギャレー)
きたきた
マティア君
今日は俺たちも手伝うよ。
他の連中も全員使ってくれていいから
ビーフシチューの作り方を教えてくれ。」
「(マティア)
分かりました。
全員手伝っていただけるなんて
とても心強いです。
食材を買ってきたので
まずは手分けして
下拵えをしましょう。」
魔法の袋から
材料を取り出すと
烹炊兵たちが驚いた
色とりどりの野菜だけじゃなく
15kgもある牛肉の塊と
赤ワインも樽ごと出てきた
「(ギャレー)
マティア君
前々から気にはなっていたんだが
魔法の袋なんて
どこで手に入れたんだい?」
「(マティア)
僕が持っている魔道具は
知り合いのエルフの方に
昔作ってもらったものです。」
「(ギャレー)
俺たちも作ってもらえたりしないかな?」
「(マティア)
正直に言うと・・・
難しいと思います。
その職人さんは
すでにお亡くなりになっていますので。」
「(ギャレー)
そうか・・・
それは残念だな。
それだけ高性能なものとなると
相当優秀な職人さんだったんだろうね。
エドワードさんから聞いたんだが
その魔道具は
君にしか扱えないようだが・・・」
「(マティア)
はい。
仮に僕が死んだ場合でも
所有権が
ある者に移るので
そいつにしか使えません。」
「(ギャレー)
そうか・・・
君に言われていた
コンソメスープは
フランツが作っているから
もうすぐ出来上がると思うよ。」
「(マティア)
分かりました。
下拵えの仕方から教えますので
見ながらで構わないので
よろしくお願いします。」
「(ギャレー)
こちらこそよろしく。」
私は牛肉に手を伸ばした
「(マティア)
まず
牛かたまり肉は3~4cm角に切って
肉の重量の100分の1ずつの
塩と
砂糖を揉み込んだら
20~30分常温で置いておきます。
その間に
野菜を切っていきます。
にんにく
玉ねぎ
にんじんを
薄切りにします。」
6人もいると
効率よく材料が切り分けられていく
「(マティア)
切り終わったら
牛肉を焼き
さっき切った野菜を炒めます。
鍋に油を熱し
中火で牛肉の全面を焼き
いったん取り出します。
この肉汁が出た鍋に
バターとさっき切った野菜を加え
焦がさないようじっくりと炒めます。
しんなりとして香りが立ってきたら
小麦粉を振って
粉っぽさがなくなるまで炒めます。
それが終わったら
牛肉を鍋に戻し
肉の重さの
3分の2の赤ワインと
2分の1のコンソメスープ
を入れて熱していきます。
沸騰したらアクを取り除き
フタをずらして乗せ
弱火で2~3時間煮込みます。
その間に
付け合わせの野菜を用意します。
じゃがいも
にんじん
は皮をむいて
大きめの一口大に切り下茹でします。
マッシュルームは
石づきを切り落とします。」
結構早く調理が進む
やっぱりプロは違うな
「(マティア)
少し時間があるので
明日の準備でも
片づけでも
この間に出来る事をしておきましょう。」
大量の鍋を
数人で効率的に見ている間に
手が空いている烹炊兵が
明日の食事を含めた
他の用事をこなしていく
「(マティア)
次の段階です。
スープを濾すので
鍋から牛肉を取り出し
スープを全て濾します。
それが終わったら
濾したスープと牛肉を鍋に戻し
付け合わせの野菜を加えて
15分程煮込み
味を見て
塩
胡椒で
味を整えます。」
私は
出来上がったビーフシチューの
味見をした
「(マティア)
うん
問題ないです。
皆さんも味見をしてください。」
「(ギャレー)
では・・・」
烹炊兵達が
一口味見をした瞬間
電流が走ったかのように
目を一杯に見開いた
あまりにもの美味しさに驚いたようだ
「(ギャレー)
美味い!
コンソメスープだけでもすごいと思っていたが
さらに先に進むとこんな凄いものができるのか。
マティア君
君は本当にすごいな!」
他の烹炊兵達も
あまりの美味しさに
驚きを隠せないようだった
私はもう2つ工夫できることを教えた
「(マティア)
それから
みんなに
この料理を装う時に
肉の部位に注意してあげて
食べる人ごとに
お好みの部位を使ってあげてください。
バラ肉は脂のうま味
もも肉は肉そのもののうま味
が豊富です。
それから
煮込み時間もお好みで調整してください。
肉の旨みと食感を残す場合は
2時間ほど
柔らかめの食感にする場合は
3時間くらい
が目安です。」
ビーフシチューが仕上がったのをみて
烹炊兵達が黒パンを
香りが立ちやすくするためと
食べやすくするために
温め始めた
私はその横で並行して
ある物を焼き始めた




