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晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
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 その日の夜、いつものベンチに向かった。


 夕食は五人で食べたものの、いつもの楽しさは感じなくなった。心地よかった関係が、今では心地悪く感じる。


 前みたいに仲の良いみんなに戻れたらいいのに。もし、ペトラちゃんが地獄から死国に来たら、みんなはまたチヒョンと仲良く話すようになるのかな。


 今夜は珍しくいつも満月に見える月が少し欠けているように見える。月明かりのせいか星もいつもより少なく見える。


「星が少ないのは僕が食べちゃったからだよ」


「!!!」


 いきなり耳元で聞こえた男の人の声。私は驚き、耳を押さえて立ちあがった。


「おっと、驚かせてごめんよ」


 男の人は全身暗い色の服に身を包んでいた。


「えっと・・・代行の人ですか?」


 代行人と会う約束はしていないはずだけど。


「いいや」


 男の人は少しびっくりして笑った。


「僕は夜だよ朝と昼と夜の夜」


「あ、夜さん、初めまして」


 普通の人間なら、朝昼夜の夜なんて言われても理解できいないと思うが、死国の私はそんな事では驚きはしない。だんだん死国人らしくなってきたかも。


「君は夜型の人間なの?」


 夜さんの話し方は寝る前に子どもに絵本を読む親を思い出させる。


「いえ。ただ眠れなくて。夜さんは何をしているんですか?」


「僕は夜だからね、今が活動時間だから散歩をしていただけだよ。僕がいなくなったらまた朝が死国にやってくるよ」


 そうか。この人が夜を連れてくるんだ。


「夜さんは夜の神様なんですか?」


 夜さんは満足そうな顔をした。


「いいね。夜の神様っていう響き。でも違う。そんな立派な存在じゃないよ。僕はただの夜。僕の体を貸してるから任せられているだけで雇われ夜だよ」


 これはちょっと何を言っているか理解できない。死国の人はたまに意味の分からない事を言う。やっぱり私はまだまだみたい。


「私に何か用ですか?」


「特に用はないんだけどね。僕はいつも一人ぼっちだから、誰かがいると話をしたくてつい声をかけちゃうんだ迷惑だった?」と、お茶目に笑う夜さん。


私も一人でいるよりは話し相手がいた方が嬉しいので「とんでもないです」と答えた。


「今、何か嬉しいことはあった?」


「楽しい事ですか?」


 楽しい事より、もやもやすることの方が多かったな。強いて言うなら、公園に行った事かな。


 なんて考えていると「おや?」と言って、夜さんが私の後ろに視線を移動した。


「もう一人、眠れない人間が来たみたいだね」


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