王様気分
「どこか行きたいところある?」
「今日、ここに友達と来てるから、あそこで横になっている三人の所に行ってくれるだけで大丈夫」
象はゆっくりと歩き始めた。象に乗って移動するのは初めてだが、こんな高い位置にいると王様にでもなったような気分。
「この世界で象に乗りたい時はどうしたらいいの?」
「動物タクシーを使うのが良いんじゃないかしら。象以外の動物もいるけど」
もし鳥に乗って空を飛べるなら動物タクシー楽しそう。
「人間以外の動物は何のタクシーに乗るの?」
「私達みたいな大きな動物は人間のトラックタクシーに乗るわよ」
「そうか。トラックがあったか」
「ねえ、もしリンゴの芯を食べないなら、私にくれない?」
私は、伸びてきた象の鼻にリンゴの芯を渡した。
「ん・・んん」
アムリは鼻がくすぐったい様で寝ながら自分の鼻を触っている。その犯人はスワンでそれを見ながらホラールは小さく笑っている。
「あん!」
とうとうアムリが目覚めた。それを見て二人はけらけらと笑っている。
「なーにー?なんで笑ってるのー?」
鼻を掻きながら欠伸をし、アムリは聞いたが二人は「何でもない」と答えた。
「あれ?いゆは?」
「あっちに行くって言ってたけど、どこに行ったのかしら」
三人が辺りを見回すとアムリが小さく叫び声をあげた。
「あの象こっちに向かってきてない?僕達が見えないのかな?ねぇ。踏まれちゃうんじゃない!?」
三人がびっくりして立ち上がると、近づいてきた象はゆっくりと三人の前に座り込んだ。そして、その背中からいゆが下りてきた。
「いゆじゃん!その象誰?」
「死国管理局の象さん。お手伝いをしたら乗せてくれたの」
「じゃあ、私は行くわね。さよなら」
「さよなら」
私は象に手を振った。
「いいなー。僕達も象に乗ってみたかったね」
乗った所を想像をしているのか、わくわくした様子のアムリ。
「一人くらいは平気なんだけど、背中が痛くなるから大勢の人は乗せたくないんだって」
「そうなの?俺、ソフィアとタイに行った時、二人で象に乗ったんだけど可哀そうな事をしていたんだね」
「私も象に乗った事あるけど大きいから平気だと思ってたわ」
笑顔のアムリが急に真顔になった。
「二人とも乗った事あるんだね。良いなー。ね、お腹すいた。学食行こ!」
アムリが靴下を履かずに靴を履き、先に一人で行ってしまった。
「アムリ急にどうしたんだろ」
「お腹がすいたらいつもあんな感じじゃない」
私達は靴を履いてからアムリを追いかけた。




