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晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
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 スワンに「ちょっと向こうに行ってくるね」と言って象の所に向かった。

 

 あいさつをすると象は伸ばしたまま「こんにちは」と返事をした。


「何をしてるの?」


「見ての通りリンゴを採ろうとしているんだけど、後少しなのに届かないのよ」


 鼻の少し先には赤く大きいリンゴが実っていて、鼻先は何度もリンゴを触っているが届く気配はない。


「手伝おうか」


「あら。いいの?なんだか悪いわね」


 象は直ぐに鼻を下した。表情は分からないが、本当に悪いと思っていない様に感じる。


「いいえ。暇だし」


「じゃあ、背中に乗って、そのリンゴを採ってもらえる?」


「え?乗ってもいいの?私、象に乗るの初めて」


 わくわくする。


 「生国では観光地で働かせられていたんだけど、その時は背中に人間の座る器具を乗せられて、そこに人が何人か乗られるの辛かったのよね。人一人くらいは平気だけどね」


 象は私が乗りやすい様にしゃがむんでくれた。ジャンプをして登ろうとしていると、象が鼻でお尻を押し上げて、何とか背中に乗る事が出来た。頭の毛がかわいい。


「私が立つ時にバランスを崩して落ちないように気を付けてね」


 私は全身で象の背中を抱きしめた。象は「よいしょ」と言うと、最初に前足を伸ばし、次に後ろ脚を伸ばして立ちあがった。


「私の背中に立って、あのリンゴを採ってちょうだい」


 象はリンゴのある方に近づいた。この高さで不安定な象の背中の上に立つのは少し怖い。ゆっくりと立ち上がる。


「リンゴってどうやって採るの?」


 よく考えたら、リンゴを木から直接採った事が無い。


「リンゴを手で包むようにして、上に持ち上げるようにすると採れるはずよ。私はぶちっともぎ取るけど」


 象に言われた通りにやってみると簡単にリンゴがぽろっと採れた。


「はっ!採れた!」


「それを私にちょうだい!」


 私は採れたことに感動をし、象は採れたことに興奮をして鼻を伸ばしてきた。象の鼻先にリンゴを乗せると象はそれを丸ごと口に放り込んだ。シャリシャリという良い音がする。


「ん~!おいしい!」


 ほのかに香るリンゴの匂いといい音に誘われて私も食べたくなってきた。


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